6月10日に行われた2026年北中米W杯アジア最終予選のインドネシア戦で、日本代表は6-0の圧勝劇でW杯予選の幕を閉じた。すでに本大会出場を決めていたため、試合前から消化試合の雰囲気が漂っていたが、森保一監督の粋な計らいで、空気が一変する。先のオーストラリア戦に続き、MF久保建英がエースナンバー「10番」を背負っただけでなく、キャプテンマークを巻いて出場したのだ。
2019年6月に18歳でA代表デビューを飾り、将来の日本代表のエースと言われてきたが、予期せぬサプライズにサポーターは大盛り上がり。しかも試合では、華麗なダブルタッチの足技でDFをかわしてゴールを決めるなど、圧巻のパフォーマンスでプレーヤーオブザマッチに選出された。
本人は「キャプテンのキャラじゃない」とコメントしていたが、試合前の整列で味方を鼓舞する姿が「かっこよすぎてエモい」と絶賛の声が広がっている。本大会でのキャプテンはさすがにMF遠藤航に任せるとして、「久保10番」待望論が急浮上した。
これまで森保ジャパンのキャプテンは、2022年カタールW杯はMF南野拓実が背負い、第2次森保ジャパンではMF堂安律が引き継いでいる。6月シリーズは若手主体で臨み、堂安がメンバー外だったため、暫定的な背番号ではあるが、この先ひょっとしたら…という展開がありそうなのだ。サッカーライターが指摘する。
「日本代表の10番は、チームの顔です。人気と実力に加えてカリスマ性も求められる中、正直言って南野や堂安は歴代の中村俊輔や香川真司のようなインパクトを残していません。しかし久保がエースナンバーを背負った瞬間、強いけど地味な印象の森保ジャパンで、ここまで大反響を呼んだのは珍しい出来事。サッカー人気の回復が期待できるし、久保の名前が入った10番のユニフォームを買いたいと熱望するサポーターがおり、世論の後押しで本大会前に交代劇が起きても不思議ではないんです」
本大会のメンバー入りを懸けたサバイバルレースの勃発とともに、日本代表の「10番争い」が激化するのは必至だ。
(風吹啓太)