芸能界は華やかなれど、事業に手を出すなどしてひとたび「失敗」すると、とんでもない額の負債を背負うケースが出てくる。
ランキングまとめサイト「RANKY」が2025年版として発表した「借金した芸能人衝撃ランキング」の男性部門を見ると、3位が矢沢永吉、さだまさし(推定35億円)で、2位は小林旭(推定60億円)。そして1位は千昌夫のケタ違いな額(推定2853億円)だった。千は25歳で不動産業に着手し、最盛期には資産3500億円。だがバブル経済が終わりを告げると、気が遠くなる借金を抱えることに。
「俺はマスコミのオモチャじゃない。男は余計なことをしゃべらない!」
過熱する借金報道に激怒した千の言葉が思い出される。
では3位のさだのケースはどうだったのか。本人が先ごろ、YouTubeチャンネル「RED Chair」でこう語っている。
「手持ち資金2億円しかなかった。僕が見た(借金の)数字は28億円。『これは会社の借金ではなくて、まさしの借金だよ』って言われた。会社は潰れたら終わりだから、銀行は会社には貸さない。さだまさしに貸したんだね。なんで貸したかな。借りたら返さなきゃならないじゃん。辛いよね」
さだは「グレープ」で1973年にデビューしたが、76年に解散。1977年のソロシングル「雨宿やどり」がオリコンシングルチャート1位の大ヒットを記録する。以降は「関白宣言」「道化師のソネット」「親父の一番長い日」など、数々のヒット曲を世に放った。
そんなさだが多額の借金を負ったのは、中国大陸を流れる大河を舞台にしたドキュメント映画「長江」(1981年)の企画・監督を担当してのもの。本人曰く、金利を含めると35億円にもなったと…。
「本当にしんどくてしんどくて、コンサートを年間186本やりましたからね。それしか僕には仕事がなかったんで。声はガサガサになるわ、体はボロボロになるわ。28歳で28億円の借金をして『終わったよ』って言ってもらったのは58歳だから。30年間、僕はもう本当に休みなく走り続けたね」
今のおだやかな表情からは想像できない、壮絶な30年だったのである。
(所ひで/ユーチューブライター)