日本人初のウェルター級世界王者が誕生するか。WBO同級2位・佐々木尽の世界戦が、6月19日に迫っている。王者ブライアン・ノーマン(アメリカ)と東京・大田区総合体育館で激突するが、ノーマンの戦績は29戦27勝(21KO)無敗2無効試合。一方の佐々木は21戦19勝(17KO)1敗1分のハードパンチャーだ。下馬評では王者有利となっている。
前人未到の階級といえば、遡ること30年、WBA世界ミドル級タイトルマッチで「ノーチャンス」と評された竹原慎二氏が、見事な試合を見せる。3-0の大差判定で王者ホルヘ・カストロ(アルゼンチン)を下し、日本人初の世界ミドル級王者となったのである。
YouTubeチャンネル「渡嘉敷勝男&竹原慎二&畑山隆則ぶっちゃけチャンネル」の6月17日の回で、竹原氏が振り返る。
「前評判が悪すぎて、絶対勝てないって声が遠くから入ってくるじゃないですか。もう頭くるし…」
そして竹原氏の闘志に火をつけたのは、焼肉店を営む実家のエピソードだった。
「僕の場合、実家が焼肉屋やってて、そこに客が来て、親父と取っ組み合いになったんですよ。『世界なんか絶対無理』みたいなこと言ったらしいんですよ。そうしたらウチの親父、カチーンときて…」
それを竹原氏の兄が電話で報告してきたそうで、
「親父の顔に泥塗ったヤツにもひと泡吹かせないといけない、ってのがあって、勝ってやろうって気持ちが…もっと反骨心で頑張りましたね」
佐々木の世界戦に話を戻せば、畑山隆則氏は同チャンネルでこう評した。
「チャンスあると思う。ノーチャンスみたいに言ってる人多いけど、俺はそんなことは思わない」
竹原氏に負けぬ反骨心で、佐々木がベルトを腰に巻く姿を見たい。
(所ひで/ユーチューブライター)