スポーツ
Posted on 2025年07月02日 11:45

OB解説者2人が「えっ!?」と驚いた広島「延長戦の新井采配」は「慎重すぎるor確実性」

2025年07月02日 11:45

 延長戦に入った11回裏、ベンチを振り返った広島・坂倉将吾が人差し指を立てた。「サインをもう一度」と求める仕草だ。だが新井貴浩監督の指令は変わらず「送りバント」だった。

 7月1日の広島×ヤクルト戦(マツダスタジアム)。この日、1本塁打を含む2安打を放っていた5番打者は、静かな溜め息を飲み込みながらバッターボックスに入った。塁上には4番ファビアンの代走・久保修。坂倉の送りバントは教科書どおりに決まり、一死二塁と好機を広げたが、続く堂林翔太は四球を選ぶにとどまり、菊池涼介の浅い左飛で進塁はならず。

 さらに矢野雅哉の左前打はヤクルトの前進守備に阻まれ、二塁走者は三塁ストップ。満塁から代打・中村奨成がライトへ力なくフライを打ち上げると、サヨナラ機は潰えた。そして延長12回の死闘は2-2で引き分けに終わる。

 坂倉の構えを見た瞬間、テレビ新広島の解説者・山内泰幸氏は驚きの声を上げる。
「えっ、坂倉にバント? 今日ホームランを打っているのに。打たせると思っていましたが、ベンチは確実性を取ったのでしょう」

 他のOB解説者も同じ思いだったようで、RCCラジオの佐々岡真司氏は、
「長打を期待してもいい場面」
 として首をひねったのだった。

 では熱心な広島ファンも2人の解説者に同調したのかといえば、さらに辛辣で、
「堂林にバントなら分かるが、坂倉はない」
「打率2割9分(坂倉)を下げて、1割8分(堂林)を打たせる理由は?」
「(一塁手が)モンテロから堂林に交代したのを忘れてた模様」
 などなど、新井采配を批判する声がタイムラインを埋め尽くした。

 一打サヨナラを託された堂林は6月、わずか7打席で無安打。一方の坂倉は前述のように、この試合2安打と当たっており、バントより強攻を望むのは当然だった。

 疑問は9回裏にもあった。二死三塁のサヨナラ機で新井監督が送り出した代打は、6月12日以降、1本も安打を放っていない秋山翔吾。好調の中村を温存した采配は「消極的すぎる」のブーイングを生んだ。結局、秋山は空振り三振。流れを摑みきれないまま、試合は延長へと滑り込んだのである。

 この日、阪神が甲子園で巨人を下し、2位・広島とのゲーム差は4に拡大。優勝争いの行方を左右する夏場の入り口で、最下位に沈むヤクルトを相手に取りこぼした「慎重すぎる攻め」は、赤ヘル党にモヤモヤを残した。

 シーズンは折り返し点を過ぎたばかりだが、新井采配が堅実策として実を結ぶのか、単なる及び腰で終わるのか。
「いい攻撃はできている。2点差を追いついてからの引き分けは、明日につながる」
 試合後、新井監督は前向きに語ったが、はたして…。

(ケン高田)

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