芸能
Posted on 2025年07月22日 10:00

井倉光一「『少女A』はテリーさんに言われて」/テリー伊藤対談(4)

2025年07月22日 10:00

テリー でね、今に至るっていう感じだと思うんだけど、もちろんイクラちゃんは今も音楽活動を続けていて。この前、「Woman」という昭和の女性シンガーの歌ばかりを歌ったカバーアルバムを出したんだよね。

井倉 そうですね。今までいろんな音楽をやってきましたけど、物心ついた時から、いつも傍らにあった音楽が歌謡曲ですから。

テリー そういう時代だったよね。

井倉 僕が3、4歳で物心ついた頃って、まだ日本のポップスブームだから、アメリカの「ヴァケーション」みたいな曲が日本語で歌われてたり。

テリー 弘田三枝子さんのカバーとかね。

井倉 そうなんです、カバー曲がいっぱい出てた時代で。僕が小学校1年生の時に最初に日本のポップスで好きになったのがピンキーとキラーズの「恋の季節」なんですよ。あれがシルクハットにベストでステッキ持って、すごく格好よくて。

テリー 作曲はいずみたくさん。

井倉 後になって思うと、あの格好って当時の向こうの黒人のソウルグループのパクリなんですよね。でも、そういうセンスが早かったなと思って。

テリー 今陽子さんは可愛かったしね。カバーアルバムは前から考えてたの?

井倉 そうですね。ずっとやりたいなと思ってたんですけど。やっぱり自分のオリジナル曲って、どんなにいい曲を作ってもなかなか皆さんの手元まで届かないじゃないですか。ファンの人は買ってくれるんですけど。だから僕、とりあえず歌は歌えるから。

テリー ただの車好きの、下ネタおじさんじゃないぞっていうね。

井倉 そうですね(笑)。だから名刺代わりに、手っ取り早く皆さんにわかってもらうにはカバーかなと。また今、昭和歌謡とかが見直されて、シティポップが人気じゃないですか。それと今年「昭和百年」というフックもあったので。今のところ、けっこういい感じで売れてるんですけど。

テリー 収録曲も「悲しみがとまらない」「少女A」「渚のシンドバッド」「小麦色のマーメイド」「時の流れに身をまかせ」、名曲ばっかりだよね。

井倉 「少女A」はテリーさんに「イクラちゃん、『少女A』やりなよ」って言われて、「あ、いいな」と思ったんですよ。俺の中に「少女A」ってなかったんで、テリーさんに言われて、もう1回聴き直したら「あ、これいいな」って。で、ちょっとジェームス・ブラウンみたいなファンクな感じにアレンジしました。

テリー あの曲、格好いいよね。じゃあ、これは皆さんもぜひ聴いてくださいということで。で、次は何?オリジナルやるの?

井倉 次はオリジナルですね。それもアルバムで12曲とか一度に出さないで、6曲ずつぐらい配信して、それをまたCDにしたりとか。

テリー 何で?

井倉 アルバム12曲とかを1回で出しちゃうと、そのプロモーションで終わっちゃうから、半分ずつ3カ月おきに出していくとかして、間を空けずに行こうかと。それで「またイクラちゃん来てる」っていう流れを2年ぐらい続けてみようかと思ってるんですよ。そしたら音楽やっていくことが根づくじゃないですか。

テリー なるほど、そこが本業だもんね。

井倉 まあ、そうですね。今までいろんなことをやってきて、だいたいのことは成功して満足感があるんですけど、音楽だけがまだないんですよ。「勝った、負けた」で言うと、勝った感触がないんです。

テリー ああ、そうなんだ。井倉 だから絶えず日本中で年間ツアーをやれるぐらいの位置まで行きたいなと。今はミュージシャンとしての位置は中の上ぐらいだと思うんですけど、それを上の下まで持ち上げたいんですよね。

テリー いいねぇ。上の上まで行きましょうよ。

井倉 まあ、なるべく上にということで。まず上ランクに入れるようにやりたいですね。

ゲスト:井倉光一(いぐら・こういち)1961年、神奈川県生まれ。1984年、「ザ・ムーンドッグス」結成。「イクラちゃん」の愛称で多くのバラエティー番組にも出演。1996年のバンド活動休止以降は、主に自動車関係の仕事に従事。現在もミュージシャンおよび「有限会社ガレージムーンドッグス」の取締役として、1993年よりアメリカンフェスティバル(IKURA'sAMEFES)を企画制作し、富士スピードウェイで開催している。ニューアルバム「Woman」発売中。「イクラLIVE アダルト・サマー・バケーション」が8月11日にリビエラ逗子マリーナオーシャンズ・ディスコ、9月23日に逗子サーファーズで開催される。

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