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記事全文を読む→22歳の藤井聡太が「立てなくなる」正座対局が蝕む棋士の膝と腰「前十字靭帯断裂」渡辺明の苦境
「棋士の職業病は腰と足の痛み」
そう言って警鐘を鳴らすのは、将棋の羽生善治九段である。正座して対局するという長年の蓄積により、膝や腰への慢性的な負担が、棋士を精神的にも肉体的にも追い込むのだ。
東京と関西の将棋会館には椅子対局室が設けられ、両対局者が合意して事前申請すれば、東京で最大8局、関西で2局まで椅子対局が組める仕組みだ。だが格式を重んじる和室対局が優先され、主に高齢者や女流棋士が先に枠を押さえるため、希望が通らないことがある。
今まさにこうした対局スタイルに苦しんでいるのが、渡辺明九段だ。昨夏、趣味のフットサル中に左膝を負傷し、前十字靭帯を断裂。半月板や軟骨の二次損傷を避けるため、2024年12月に前十字靭帯の再建手術を受けて、入院とリハビリで棋戦を一時休場した経緯がある。
渡辺九段は7月17日の復帰戦(第84期A級順位戦1回戦)で佐々木勇気八段を退け、およそ4カ月ぶりの公式戦を白星で飾った。終局後には、
「まだ万全とは言えない。当面は体のケアを優先したい」
勝利を喜ぶより、膝の状態を気にする慎重な姿勢を見せている。
渡辺九段はA級(名人在位期を含む)に計14期在籍し、現在は7期連続でA級を維持している。40代に入り、大ケガの後遺症を抱える今期は、全9局を戦い抜くための体調管理が、かつてなく重要になる。盤上の技術が健在でも、コンディションを崩せば即座に星を落としかねないのだ。
羽生九段の指摘通り、正座はプロの膝と腰を蝕み、22歳の藤井聡太でさえ、
「対局後に立てなくなることがあり、トレーニングをしなければ」
と、正座対局の厳しさを語っている。
今後も渡辺九段はA級で勝負を続けるのか、それとも区切りの時機を探るのか。その動向が実に気になるところである。
(ケン高田)
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