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記事全文を読む→岩谷麻優(プロレス)「まずは私がいちばん楽しむ」ことが岩谷流!/華麗なる「プロフェッショナル女子」の流儀
4月下旬「スターダム」の旗揚げメンバーで“アイコン”として活躍してきた岩谷麻優(32)が「マリーゴールド」への電撃移籍を発表。女子プロレス界に衝撃が走る中、ファンからも「なぜ?」という声も飛び交ったが、移籍を決断した裏には、プロとしてのこだわりがあった。
「やっぱり最初は不安だらけでした。マリーゴールドは若い子ばかりだし、ちゃんと試合ができるのかな、自分のプロレスができる環境なのかなって。でも実際に移籍したら、そんな心配は全部吹き飛びましたね」
新天地での生活はすでに2カ月を超え、「今は全部が新鮮で何もかもが楽しい」と言うが、大きな決断の裏には、昨年2月にスターダムの社長・ロッシー小川氏が契約解除されたことや、自身の“燃え尽き”があった。
「すべてのベルトを獲得してリーグ戦も制覇。やるべきことはすべてやり切ったという自負もありました。小川氏が契約解除されたことで正直、会社に対する不信感もありましたが、4月にIWGPのベルトを落とした時、『もう悔いはない』って思えたんですよ。これでひと区切りかなって」
燃え尽きたとはいえ、プロレスに対する情熱を失ったわけではなかった。
「まだまだ挑戦できる場所があるって思えたんです。マリーゴールドでは、また1年目からのスタート。プロになって14年目になりますが、初挑戦ばかり。試合数や取材対応など、選手としての仕事も以前より減って、時間的、精神的にも余裕が生まれました。今の日課は、ワンちゃんとのドッグラン通い(笑)。プライベートも充実しています」
そもそも岩谷選手がプロレスに出会ったのは、高校を中退して引きこもっていた頃だった。兄とのチャンネル争いに負け、仕方なく観たプロレス中継が人生を変えることになる。
「最初は『何でこんな野蛮なことをやってるんだろう』って、正直、引きました(笑)。でも、気づいたら、さっきまでボコボコにやられてた人がやり返していて。それが、すごくカッコよく見えたんです」
思い立ったら即行動するタイプの岩谷選手は、兄に連れられて初めてプロレスを生観戦。ネットで「練習生募集」のコラムを見つけるや、すぐに連絡した。
ところが、小学生時代に柔道経験はあったものの、長い引きこもり生活で、腕立て伏せは1回もできなかったほどの体力不足。時には過呼吸になるまで走り、練習に参加できない日も多かった。
「でも、戻る場所もなかったし、仲のいい同期がいたのが救いでしたね。初めて『友達ができた』という感覚だった。練習はキツかったけど、楽しかったです」
11年に晴れてデビューを果たしたものの、勝利には縁がなく「最弱決定戦」のカードも組まれたほど。さらに「ウルトラマン(スタミナが3分しかもたない)」という不名誉なニックネームで呼ばれたが、それでもプロレスを諦めなかった。
「当時は何回も逃げましたよ。連絡を断って、道場に行かないとか。でも、戻ってきちゃうんですよね。ファンの方が温かくて『今日も頑張ってたね』って言ってくれるのがうれしくて。なんか、親みたいな存在だったんですよね」
そうした苦しい時代もあったが、デビュー3年目に心の転機を迎える。
「ファイブ☆スター・グランプリ(シングルマッチのリーグ戦)に出られなかった、いわゆる落ちこぼれメンバー3人で『たわしーず』っていうチームを第1試合とかで組まれていたんですけど、それがちょっとヒールっぽいけど愛されキャラって感じで、初めて『プロレスって楽しい』って思えたんですよね」
そんな岩谷選手が今、最も大切にしていることは「楽しむこと」だ。
「自分が楽しんでなきゃ、観ている人に伝わらないと思うんですよ。だから、常に『まずは私がいちばん楽しむ』って決めています。緊張してるレスラーがいたら、入場前に『楽しもう』って声をかける。それが私のルーティンです」
“女子プロレス界のアイコン”と呼ばれて久しいが、最初はリング上でその言葉を使われて「何それ? ダサッ!」と思ったという。
しかし今は、その称号をありがたく受け止め、新たな野望も抱いている。
「女子プロレス界のアイコンにはもう慣れたかな。これからは“プロレス界全体のアイコン”になりたい。『今は誰がアイコンなの?』って聞かれた時に、私の名前が出てくるくらいの存在になりたいんです」
とはいえ、移籍したマリーゴールドを今すぐ、スターダムを超えるような大きな団体にしたいか問うと、首を横に振る。1期生としてスターダムの大きさやスゴさが身に染みているからこそ「自分がいる間に一気に引き上げようとは思っていない」というのだ。
「10年後、15年後に『あれ、トップになってる?』というくらいでいいと思っています。その時にはもう私は引退していると思いますけどね」
昨年、還暦を迎えた長与千種さんや64歳のダンプ松本さんは、いまだに現役で頑張っているが、
「すごいですよね。私も今年32歳になりましたけど、何だかんだで続けているので、もしかしたらその年までリング上で戦っているかもしれませんね(笑)」
岩谷麻優(いわたに・まゆ)93年生まれ、山口県出身。11年、スターダムでデビュー。華麗な空中技と二段式ドラゴンスープレックスを武器に頭角を現し、17年には史上初となる「ワンダー・オブ・スターダム」「ワールド・オブ・スターダム」の二冠王者に輝き、その後も国内外のタイトルを獲得。5月1日よりマリーゴールドに所属。
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