「大怪獣」の襲来が今、女子プロレス界を騒然とさせている。
「事件」が起きたのは6月21日、女子プロレス団体・スターダムが開催した「STARDOM THE CONVERSION 2025」(国立代々木競技場第二体育館)のセミファイナル。スターライト・キッドを中心にしたユニット「ネオジェネシス」と、鈴季すずを中心にした反体制ユニット「ミ・ヴィダ・ロカ」の全面対抗戦の試合中、ボジラが乱入。鈴季が隠し玉として呼び出し、会場は騒然となった。格闘技ライターが解説する。
「ボジラはまだ21歳ですが、身長181センチに体重91キロという規格外の体型から『大怪獣』とか『人間凶器』などと呼ばれています。これまでプロレス団体マリーゴールドのアイコン的存在でしたが、4月に日本ラストマッチを終えて、ドイツに帰国していた。そのボジラががまさかの乱入で大暴れし、『ミ・ヴィダ・ロカ』の勝利に貢献。試合直後には『ミ・ヴィダ・ロカ』への電撃加入を表明しました」
最近のスターダムでは団体を揺るがす出来事が起き、ワールド・オブ・スターダム王者の上谷沙弥と中野たむはゴタゴタ続きだ。その上、「敗者引退マッチ」の末に敗れた中野が、4月27日に引退。さらに翌月には団体のアイコンだった岩谷麻優が、マリーゴールドへ移籍する事態も起きている。
そんな中で「劇薬」が投入される形となったのだが、前出の格闘技ライターは「新風を吹かせてくれる」と前置きして、次のように太鼓判を押すのだ。
「ボジラは昨年のマリーゴールド旗揚げ戦に参戦しましたが、試合前は全くの無名な存在でした。しかし、メインイベントで当時のワールド王者Sareeeをパワーで圧倒。主役の座を奪い、試合途中から観客の大歓声を浴びて、ボジラ・コールが鳴りやみませんでした。それから団体を牽引していましたが、正直、マリーゴールドの選手は技を失敗することが多く、ボジラと噛み合わないことがしばしば。経験豊富な選手が多いスターダムなら水が合うでしょうし、近い将来、アメリカでステップアップしてスターになる可能性を十分に秘めた超逸材です」
大怪獣が暴れれば暴れるほど、ひと目見たいとスターダムのチケット争奪戦が勃発しそうである。
(海原牧人)