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記事全文を読む→くりぃむ上田晋也の「ベタなドラマ」に思わず感動!「予想外の展開」がもてはやされる風潮に「これこそ王道だ」
前半はひな壇の女性タレントたちがトークを繰り広げる普段通りの内容で、テーマは「夢見がちロマンチスト女子VS現実派ドライ女子」。こちらは通常運転の内容なのだが、出色だったのが後半の「ベタドラマ」企画で――。
9月17日の「上田と女が吠える夜」(日本テレビ系)は「上田と女が吠える夜×ベタドラマSP」と題する2時間スペシャルだった。
そもそもこの企画は今から約20年前、2005年4月6日から2006年3月29日まで放送されていた「くりぃむしちゅーのたりらリラ~ン」の「クイズよくあるパターン ベタの世界」なるコーナーに端を発する。
その内容は「100人のアンケートに基づいて作られたベタなドラマを見ながら次の展開を予想するクイズコーナー」で、「恋愛もの」「サスペンスもの」「ミステリーもの」「ホラーもの」「不倫もの」「刑事もの」といった様々なジャンルのドラマにおける「ベタ」、すなわち「ありきたり」なシーンや演技を満載して再現。そのVTRの途中で「アンケートによるこの後のベタな展開第1位は?」とのクイズが出題され、解答者が予想し合うというものだ。
おふざけ的な内容でありながら、豪華な俳優陣が出演していたり、はなわ、テツandトモ、長井秀和、レギュラーといった「あるあるネタ」のお笑い芸人が流行っていた時代背景もあってか、深夜放送のいちコーナーとしては好評を博した。放送終了後の2009年8月には「帰ってきたベタドラマ」としてBeeTVで、さらに昨年4月には「くりぃむしちゅーのベタドラマ」として、地上波で復活している。
今回のベタドラマのお題は「初恋系恋愛ドラマ」。簡単なあらすじは「売れない挿絵画家のベタ男(小泉孝太郎)と、高校時代の初恋相手であるベタ男をずっと忘れられないベタ子(美村里江)が同窓会で再開を果たし、19年越しに2人に恋がまた芽生えるのだが…」というものだ。
ベタ男とベタ子の高校時代の親友が、磯山さやかと澤部佑(ハライチ)。ベタ男とベタ子の恋を邪魔するベタ男の元カノには橋本マナミと、脇をしっかりと固める。バラエティーのいちクイズコーナーのVTRにしては無駄に豪華な配役で、まさに「あるある」なベタすぎるドラマがその都度、ナレーションとテロップによるツッコミを交えながら展開されるわけだが、これが普通に「いい」のだ。
その先にくるであろう「お約束」の展開を予想したりしながらも、いつの間にか引き込まれ、物語の終盤には、解答者のひとりである若槻千夏が感情移入しすぎて大泣きしてるのを見て、こちらも笑いながらもらい泣きしてしまった。
最近のドラマは、ともすれば、やれ「予想外の展開」や「絡み合う複雑なストーリー」「周到に散りばめられた伏線」「視聴者を裏切るバッドエンド」に走りがち。そんなふうに奇をてらったものよりも、時にはこういうベタな内容のものを1クールで見てみたい。「ベタ」は嘲笑の対象ではなく、「王道」と称賛するべきものなのだ。
(堀江南/ドラマソムリエ)
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