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記事全文を読む→「プロレスVS格闘技」大戦争〈ユキーデの人気も爆発!プロ空手が日本上陸。現実とリンクする劇画も起爆剤となって…〉
1976年6月26日、日本武道館で行われたアントニオ猪木とプロボクシングWBA&WBC統一世界ヘビー級王者であり、プロスポーツ界のスーパースターだったモハメド・アリの異種格闘技戦は全世界から注目を浴びたが、まったく嚙み合わないまま15ラウンド引き分けという結末に“世紀の凡戦”と酷評された。
このスーパーイベントで9億円もの負債を抱えた新日本プロレスと猪木が、失地回復として打ち出したのが異種格闘技戦のシリーズ化だ。NET(現テレビ朝日)の水曜スペシャル枠で異種格闘技戦を放送して、その放映権料を借金返済に充てるというもので、これが予想以上にヒット。格闘技ブームが到来する。
そのきっかけになったのがアリ戦から約1年後の77年8月2日に日本武道館で「格闘技世界一決定戦」と銘打たれたイベント。ここに登場したのがプロ空手‥‥マーシャルアーツである。
まずセミファイナルにプロ空手WPKO(ワールド・プロフェッショナル・カラテ・オーガニゼーション=世界プロ空手機構)世界ライト級王者ベニー・ユキーデが登場し、全日本キックボクシング・ライト級2位の鈴木勝幸を6ラウンドでKO。赤いパンタロン姿で華麗なキックを披露して「プロ空手強し!」を印象付けたユキーデは、ブルース・リーを思わせる風貌もあって、日本のファンを魅了した。
そしてメインイベントでは、アントニオ猪木がWPKO世界ヘビー級王者のエベレット・エディことザ・モンスターマンと激突。
試合は猪木VSアリとは違って、見事に嚙み合った。190センチ、110キロのモンスターマンが繰り出すハイキック、ミドルキック、前蹴り、バックスピンキック、ジャンピング・ハイキックなどの変幻自在な打撃技に観客は熱狂。猪木はかつて鉄人ルー・テーズが得意としていた元祖パイルドライバー‥‥現在の投げっ放しパワーボムでモンスターマンをキャンバスに叩きつけ、ギロチンドロップを投下!
カウント10が告げられた瞬間、日本武道館は地鳴りのような大歓声に包まれた。猪木はアリ・ショックを払拭したのである。
この大会を機にプロレスVS他の格闘技のみならず、キックボクシング、プロ空手=マーシャルアーツ、ムエタイの立ち技系格闘技が注目されるようになった。
モンスターマン戦で勢いを取り戻した猪木は同年10月25日、日本武道館で映画「ロッキー」の主人公ロッキー・バルボアのモデルになったと言われるプロボクサーのチャック・ウェップナーと対戦。ウェップナーは75年3月24日にオハイオ州クリーブランドでアリに挑戦し、15ラウンドにKO負けしたものの、9ラウンドには右クロスカウンターでダウンを奪うなど善戦した。前年76年6月25日には、ニューヨークのシェイスタジアムでアンドレ・ザ・ジャイアントと対戦している。
指先が自由に使えるオープンフィンガーグローブで試合に臨んだ猪木は、4ラウンドにカウント6のダウンを奪われるも、6Rに逆エビ固めで勝利。
この大会では元柔道日本一の坂口征二も76年モントリオール五輪の柔道93㎏超級銅メダルに輝いたバッファロー・アレン・コージ(バッドニュース・アレン)と柔道ジャケットマッチで対戦。送り襟絞めと逆腕固めの複合技で勝利した。
この3週間後の11月14日、日本武道館では全日本キックボクシング協会が“マーシャルアーツ全米プロ空手VSキックボクシング”と銘打たれた「格闘技大戦争」を開催して1万4500人を動員。
格闘技世界ライト級戦では、ベニー・ユキーデが元全日本フェザー級の岡尾国光を鮮やかにKO。新日本プロレスから若手の佐山サトル(聡=のちのタイガーマスク)が全米プロ空手ミドル級1位のマーク・コステロとプロ空手ルールで対戦。
8月から目白ジムに通ってキックの練習に励んでいた佐山だったが、100キロの体重を契約リミットの77.4キロまで減量し、さらにプロ空手ルールだったために投げたり、腕を極めても無効とされ、7度のダウンを奪われてKO負け。
この経験が後年、佐山を総合格闘技シューティングに走らせることになる。
こうして高まる格闘技熱をブームに押し上げたのは劇画作家、小説家、映画プロデューサーとして知られた梶原一騎だ。梶原は漫画「キックの鬼」でキックボクシングの沢村忠、「空手バカ一代」で大山倍達率いる極真空手をメジャーな存在に押し上げ、この新たな格闘技ブームの流れの中で78年初春から少年マガジンに「四角いジャングル」の連載をスタートさせた。
当初の主役はベニー・ユキーデの打倒に燃える架空の青年だったが、途中から極真空手、新日本プロレス、目白ジムの黒崎健時が立ち上げた新格闘術の現実の動きとリンクするドキュメンタリー・タッチとなり、映画化もされた。
そうした中でプロレスの猪木、プロ空手のユキーデ、極真空手の“熊殺し”ウィリー・ウイリアムスが劇画の中でもスターとなり、格闘技ファンの裾野が広がったのである。
文・小佐野景浩(おさの・かげひろ)元「週刊ゴング」編集長として数多くの団体・選手を取材・執筆。テレビなどコメンテーターとしても活躍。著書に「プロレス秘史」(徳間書店)などがある。
写真・山内猛
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