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Posted on 2026年01月01日 10:00

社会現象級ヒットメーカーが手がけるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」これまでの戦国ドラマとは一線を画す「新鮮な構図」

2026年01月01日 10:00

 1月4日スタートのNHK大河ドラマ第65作「豊臣兄弟!」。前作「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」が江戸、前々作の「光る君へ」が平安ときて、今回の舞台は2年ぶりの戦国時代だ。大河ドラマが最も得意とし、なおかつ大河ファンの視聴者が最も愛してきた時代に、満を持して戻ってきた。
 しかも脚本を手がけるのは八津弘幸。「半沢直樹」「下町ロケット」「VIVANT」と、TBS日曜劇場で社会現象級のヒットを連ねてきた書き手だ。巨大な組織の中で理不尽に揉まれながらも信念だけは曲げない男たちを書かせれば、右に出る者はいない。裏切りと忠誠が日常の戦国という世界を舞台に、八津がどんな人間ドラマを立ち上げるのか。期待が膨らまないわけがない。

 主人公の豊臣秀長を演じるのは仲野太賀。父は中野英雄だ。その父が「いつか大河の主役を張れる俳優になってほしい」と願いを込めて名付けたという話を以前、「徹子の部屋」で語っていたのを聞いた。30年の時を経て、その願いが現実のものになる。こんな胸アツな話はない。
 秀長の兄・秀吉は池松壮亮が。戦国ドラマは数あれども、天下人の栄光を、弟の視線から描き直す構図は新鮮だ。英雄を英雄としてではなく、身近な存在として見つめるまなざし。そこから浮かび上がる天下統一は、これまでとは違う戦国時代の物語となるに違いない。

 特筆すべきは女優陣の充実ぶりだ。秀吉の正妻・寧々に浜辺美波、秀長の正妻・慶に吉岡里帆、織田信長(小栗旬)の妹・市に宮崎あおい。さらに永野芽郁の出演辞退を受けて代役に抜擢された白石聖も。
 2020年の「麒麟がくる」で沢尻エリカの降板により川口春奈が大役を見事に務め、その後の飛躍につながった例は記憶に新しい。白石にとっても、本作が大きな転機になる可能性は十分にあろう。

 脇を固める顔ぶれも心強い。映画「8番出口」で強烈な印象を残した河内大和、映画「侍タイムスリッパー」で再評価を受けた山口馬木也、朝ドラ「あんぱん」での好演が話題の中島歩。名前を挙げるだけでも期待は高まるというものだ。

「豊臣兄弟!」は、単なる天下取りの成功譚ではない。前に立つ者と支える者、兄と弟。その関係性の揺らぎを通して、歴史を人間のサイズへと引き寄せようとする大河だ。
 戦国という荒々しい時代を舞台に、どこまで繊細な感情の機微を描き切れるのか。新年の幕開けにふさわしい一作として、放送開始が待ち遠しい。

(堀江南/テレビソムリエ)

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