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記事全文を読む→前駐豪大使・山上信吾が日本外交の舞台裏を抉る!~アメリカとイスラエル「イラン攻撃」情報力の凄さ!日本は直ちに「対外秘密情報収集プロ軍団」を作れ~
3月17日に発売された拙著「高市外交の正念場」(徳間書店)はお陰様で好評をいただき、発売前にさっそく、重版が決まった。そこでも強調したとおり、高市政権の大きな課題のひとつは、政府全体でのインテリジェンス機能強化である。そうした観点から今回のイラン攻撃を通じて最も学ぶべきなのは、アメリカとイスラエルの情報力の圧倒的な高さだ。
ところがオールドメディアの大半は「国際法違反」「ホルムズ海峡一大事」という視座に終始し、この重要な論点が欠落している。
厳重に警戒していたはずのハメネイ師が緒戦に一発で殺害された裏には、軍事力と情報力の合わせ技がある。いつ、どこで、何をしているのか。護衛の強度や防御態勢はどうか。
これらを把握しておかなければ、攻撃は成功しない。イスラエル・モサドと米国CIAによる情報収集力は感嘆に値する。
具体的手法も断片的に明らかになっている。英国「フィナンシャル・タイムズ」はじめ消息通は、シギント(電磁波や有線電気通信回線を通じて送受信される信号の傍受・解析による諜報活動)とヒューミント(人間を情報源とする諜報活動)が合わさったからこその成功である旨、指摘している。
シギントの一例として、イラン政府高官を乗せた公用車の駐車場の監視カメラをイスラエルがハッキングし、アルゴリズムを用いて動静を分析していたと報じられている。
ヒューミントに関しては、ハメネイ師の所在を確認するスパイがいないと、ピンポイントで狙うのは難しい。ベネズエラのマドゥ―ロ大統領の連れ去り時も同様だった。
このように見てくると、日本こそがこうした情報力を身に付けなければならないことが理解できよう。
対外情報、なかんずくヒューミントの情報収集力強化のため、「日本版CIA」の役割を担う対外情報庁の創設は急務である。内閣情報調査室(内調)を内閣情報局に格上げする法案が閣議決定されたが、これは情報コミュニティーの司令塔を強化するものであって、実際に対外情報の収集、分析に特化したプロではない。自民党と維新の連立合意で定められたとおり、対外情報庁を創設しなければならないのだ。
これは日本が北朝鮮や中国と向き合って行く上で、不可欠である。かつて私はある友好国の情報機関で最高幹部を務めた経験を持つ人物から、こう言われた。
「拉致問題が国家的課題と言うなら、北朝鮮内で生存している拉致被害者全員の居場所をつかんでいるのか」
「日本にとって安全保障上の最大の脅威は中国。であれば、北京の指導者たちが中南海(政治の中枢エリア)で話している会話の内容をつかんでいるのか」
反論の余地がないのは言うまでもない。対外情報庁設置によって、例えば拉致被害者全員の生存実態を把握し、救出のためにいかなる対応が有効かも含めて練っておくのは、主権国家として当然にやるべきことだ。実施するかどうかはともかく、いつでも特殊部隊を送り込める準備を進めておく。これは「人質奪還」のための警察行為だ。
そうした能力を備え、いつでも行動をとれるようにしておくこと自体が、外交上の交渉力を格段に強化する。世界の常識だ。
加えて、新たな器の設置と並んで、情報要員の養成が重要だ。そのためにも「セクショナリズム」は打破しなければならない。
霞が関の常だが、外務省や警察の縄張り意識は強い。外務省は外交一元化の立場から、対外情報庁設置には長らく消極的だった。警察側の囲い込み意識も強く、内閣情報官(内調トップ)は警察官僚が長年、独占。外務省出身の次長が重要な意思決定や情報の流れから遮断されるケースが多かったことは、外国情報関係者が嘆いてきたことだ。互いに省益に捕われた近視眼的対応としか言いようがない。
今こそそんな狭隘な意識は排除し、日の丸を背負う強い矜持と能力を有する人材を、一方通行で集めて育成していかなければならない。これまでインテリジェンスに携わってきた警察庁、外務省、防衛省、公安調査庁だけでなく、そのほかの省庁や民間からも優秀な人材を集めて、オールジャパンで取り組んでいくことが不可欠なのである。
●プロフィール
やまがみ・しんご 前駐オーストラリア特命全権大使。1961年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、84年に外務省入省。コロンビア大学大学院留学を経て、ワシントン、香港、ジュネーブで在勤。北米二課長、条約課長の後、2007年に茨城県警本部警務部長を経て、09年に在英国日本国大使館政務担当公使、日本国際問題研究所所長代行、17年に国際情報統括官、経済局長を歴任。20年に駐豪大使に就任し、23年末に退官。同志社大学特別客員教授等を務めつつ、外交評論家として活動中。著書に「中国『戦狼外交』と闘う」「日本外交の劣化:再生への道」(いずれも文藝春秋社)、「国家衰退を招いた日本外交の闇」「高市外交の正念場」(いずれも徳間書店)、「媚中 その驚愕の『真実』」(ワック)、「官民軍インテリジェンス」(ワニブックス)、「拝米という病」(ワック)などがある。
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