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Posted on 2026年03月27日 13:00

【プロ野球開幕】中日ドラゴンズ「予想順位を爆上げ」させた本拠地ホームランウイングの天国と地獄「打撃革命か投手崩壊か」

2026年03月27日 13:00

 プロ野球開幕を前に、セ・パ12球団の順位予想が出揃っているが、際立つのは低迷が続く中日ドラゴンズへの高評価だ。OBの岩瀬仁紀氏は早くも昨年末の時点で2位に推し、「実は優勝にするか迷ったくらい」と語る。元監督の森繁和氏にいたっては、開幕前日に配信された動画で「1位にしようかなと思ったぐらいですから」とまで言い切っている。
「中日スポーツ」評論家陣の予想は軒並み上位、「スポニチ」26人の予想でも「台風の目」として名前が挙がる。昨年の開幕前、最下位予想が大勢を占めていた球団とは思えない、空気の変わりようだ。

 評価をガラリ一変させた最大の要因は、本拠地バンテリンドームの改築だろう。今季から左中間と右中間に「ホームランウイング」が新設され、外野フェンス高は4.8メートルから3.6メートルへと、1.2メートル低くなった。右中間、左中間の距離も116メートルから110メートルへと短縮。
 森氏は「前のフェンスに当たるぐらいの打球でも入ってしまう」「9番でも8番でもホームランが出るチャンスが広がる」と目を細める。そしてオープン戦で細川成也がバットの先で逆方向に運んだ打球がスタンドインしたことや、プロ2年間で本塁打ゼロだった辻本倫太郎がウイングに放り込んだ例を挙げた。
 事実、オープン戦では中日がチーム本塁打16本、得点77と12球団トップ。森氏が「このままの状態でいけば、優勝が確実に見えてくる」と口にするのも無理はない。

 では年間を通じて、ホームランはどれほど増えるのか。昨年のバンテリンドームは本塁打パークファクター0.69と、12球場中最低の「投手天国」だった。CBCテレビ「サンデードラゴンズ」が全打球データを新スペックに当てはめた独自試算では、チーム本塁打が83本から129本相当に跳ね上がる、との結果が出ている。机上の計算とはいえ、MLB通算164発のサノーが加わった打線なら、大幅増は絵空事ではないのかも…。
 
 ただし、話はそう単純ではない。ビジターにとっても、球場が狭くなる条件は同じだ。あの広大なバンテリンドームの恩恵で防御率を稼いできた投手陣が突如として「一発の恐怖が潜む箱庭」に放り込まれる。得点力の爆発か、打ち合いの消耗戦か。その分水嶺となるのは、投手陣がどこまで踏ん張れるか、だ。

 高橋宏斗と金丸夢斗のWBC経験組に加え、ドラフト1位の中西聖輝、2位の桜井頼之介が開幕ローテに名を連ねる。森氏は中西について「低めに丁寧に投げるストレートにしてもスライダー、フォークにしてもいいボール投げている」。桜井にも「体は小さいが、低い位置から素晴らしいボールを放る」と太鼓判を押す。同時に「この2人が若いからどんどん引っ張ってくれると、ベテランもみんな引きずっていってくれる」と期待を込めた。
 大野雄大、柳裕也と合わせた先発6枚の層は、リーグ屈指。打ち合い上等の新バンテリンドームで投手陣が踏ん張れるかどうかが、浮上の鍵を握ることになる。

 巨人は岡本和真、ヤクルトは村上宗隆が抜け、DeNAもケイ、ジャクソンら主力外国人投手が退団した。他球団の戦力ダウンに対する相対的な優位性も、評論家たちが上位に推す根拠になっている。
 ホームランウイングがもたらす「打撃革命」が投手崩壊を招くか、それとも得点力アップの恩恵が上回るか。少なくとも昨年までの「塩試合のバンテリン」は消滅した。ナゴヤ球場時代の空中戦を知る世代にとって、久々に「もしかしたら」を口にできるシーズンの幕開けである。

(ケン高田)

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