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記事全文を読む→NHK「ばけばけ」最終回…選抜高校野球の中継で「朝ドラ受け」実況が始まった「そんなの聞きたいわけじゃない」ズレっぷり
NHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」が、3月27日に最終回を迎えた。
後半はやや失速感があったが、最後まで見届けた身としては、総じていい作品だったと思う。続きが気になって「そわそわ」や「ワクワク」するということこそないが、トキとヘブンの「何も起こらない日常」が平日の朝にそっと溶け込むような15分間が、とても心地よい習慣となっていた。
ハンバート ハンバートが歌う主題歌「笑ったり転んだり」の歌詞と曲調がドラマと実によくマッチしていて(むしろ、その歌詞から生まれたシーンもあったというのだから、世界観に合っているのは当たり前のことだが)、しかも現在の我々の生活ともリンクしている部分もあり、普段、知らぬ間に口ずさむことが多々あった。もうあの歌が朝のテレビから聞こえてこなくなると思うと、ちょっと、いや、だいぶ寂しい。
その最終回は、夫との思い出を語るうちに「何も起こらない日常」こそが幸せで、ヘブン風に言えば「スバラシ(素晴らしい)」ものであったことにトキが気付く。最後は主題歌のように、トキが「お散歩、行きましょうか」とヘブン(アップになった本棚に、ヘブンの死後に出版された回想録の「思ひ出の記」があるので、あれは幽霊?)を誘って幕を閉じた。
決して「大団円」などというものではなく、実に静かなラストだったけれど、洒落た余韻と「あーあ、終わっちゃった…」という喪失感で、思わず涙が出てしまった。
惜しむらくは、この気持ちをともに味わいたかった「あさイチ」の「朝ドラ受け」がなかったことだ。
番組冒頭、博多華丸・大吉の2人と鈴木奈穂子アナが「あーだこーだ」と感想を述べ合い、時には鈴木アナが号泣まですることもあって、「ここまでを含めて朝ドラ」と認識されている(ちなみに初の「朝ドラ受け」は2010年の作品「ゲゲゲの女房」の時で、前任MCの井ノ原快彦によるものだった)。
ところが3月19日からの選抜高校野球大会開幕による特別編成の影響で、「あさイチ」の生放送は現在休止中。本来なら絶対に鈴木アナの大号泣が見られたに違いないし、彼女の涙がより感動を増長させただろうに…。
「高校球児の青春と涙には何も感じない」という私のような者からすれば、苦情のひとつも言いたいくらいだったが、そんな視聴者もいることを想定してか、中継が始まると開口一番、実況の横山哲也アナウンサーが、
「昨日まではトキがずっと悲しい表情をしていたので、これはあと1話で終われるのかなと思っていましたけれども、最後にトキとヘブンの最高の笑顔が見られました…」
そう言って、朝ドラ受けをし始めたのだ。
なんだろう、やっぱりNHKってズレてるな。ヘブン口調で「この後も球児たちのナイスゲーム、ネガイマス」と締めたところも含めて、こちらはそんな原稿を読み上げるようにスラスラとした実況の「朝ドラ受け」を聞きたいわけじゃないのだよ。「皆様の受信料で成り立っているNHKですから、一部のご要望にもお応えしました」ってつもりかもしれないが、こんなのはむしろ「ジゴク ジゴク」だ。
(堀江南/テレビソムリエ)
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