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Posted on 2026年09月07日 11:30

サッカー欧州移籍完了でわかる「日本人選手が名門・強豪クラブに必要とされない」低評価の現実

2026年09月07日 11:30

 ポルトガルリーグ、トルコリーグの移籍期間が9月4日(日本時間5日朝)に締め切られ、ヨーロッパの移籍市場は落ち着いた。日本代表クラスの選手たちも、新天地に移籍した。

 前田大然(セルティック)と、W杯最終メンバーから外された守田英正(スポルティング)は、イングランド2部から1部のプレミアリーグに昇格したイプスウィッチに移籍。鈴木彩艶(パルマ)もプレミアリーグのアストン・ビラに移籍した。

 冨安健洋(アヤックス)はクリスタル・パレスでプレミアリーグ復帰を果たしたが、かつて名門アーセナルでプレーしていたことを考えると、ステップアップとは言い難い。
 板倉洸(アヤックス)は監督との意見対立などがあり、残留しても試合に出られる保証はなく、ブンデスリーガのボルシアМGに戻った。
 W杯チュニジア戦で日本人初の1試合2ゴールを決めた上田綺世(フェイエノールト)はプレミアリーグ移籍を希望していたが、フランスリーグのリールに落ち着いた。
 菅原由勢(サウサンプトン)はイタリア、セリエAにレンタル移籍が決まった。中村敬斗(スタッド・ランス)は2部脱出。フランスリーグ1部のオリンピック・リヨンに移籍した。

 結局、名門や強豪クラブに移籍した選手はいなかった。唯一、その可能性があったのが鈴木彩艶だ。CL(チャンピオンズリーグ)連覇中の名門PSG(パリ・サンジェルマン)への移籍が決まりかけていた。移籍金3500万ユーロ(約59億円)の5年契約。パリでメディカルチェックを受けるための、プライベートジェットまで用意されていた。
 ところが鈴木の代理人が500万ユーロ(約9億2000万円)という高額な代理人手数料を要求。その要求にPSG側が激怒し、契約寸前で交渉を打ち切ったという経緯があった。代理人が無謀ともいえる要求をしなければ、今季はセリエAの名門ユベントスにレンタル移籍し、来季にはPSGのゴールを守っていただろう。

 これが、北中米W杯で決勝トーナメント1回戦のベスト32で敗退し、4試合でわずか1勝しかできなかったチームに対する世界の評価である。
 例えば日本国内では評価が高かった佐野海舟(マインツ)にしても、チームが設定した移籍金は6000万ユーロ(約108億円)。日本国内では移籍先としていろいろな名門クラブの名前が挙がったが、プレミアリーグのクリスタル・パレスが移籍期限日に、移籍金3000万ユーロ(約54億円)を提示。マインツはこのオファーを拒否し、交渉は成立しなかった。

CLでベスト8以上に勝ち進む強豪チームでプレーしないと…

 結局、日本人選手への評価は全体的に高くなかったということだ。小川航基(NECナイメヘン)はブンデスリーガ移籍を望んでいたが、オファーがなく、J1町田ゼルビア入りしている。「得点王を獲る」と宣言したが、そのくらいの活躍をしなければ代表には残れないだろう。

 日本サッカー協会技術委員長兼ナショナルチームダイレクターの山本昌邦氏はW杯終了後に、世界トップレベルの国との差をこう答えていた。
「スペインはCLのベスト8以上のクラブに所属している選手が圧倒的に多い。フランスもそうだし、アルゼンチンも元いた選手を含めれば、すごく多い。水曜日と土日で試合するのも当たり前な世界で、タフに戦い抜いている。すごく厳しい中でやっているから、ワールドカップの時に連戦の厳しさみたいなものも、強度を高く連続できたりする」

 日本人選手もCLでベスト8以上に勝ち進むような強豪チームでプレーしないと、世界とは戦えないということだ。今季も多くの日本人選手がCLに出場する。その中でベスト8以上の成績を残せるのは、伊藤洋輝が所属するバイエルン・ミュンヘンぐらいだろう。それが今の日本代表のレベルだ。4年後のW杯まで、これをどこまで増やすことができるか。簡単ではない。

(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。

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