社会
Posted on 2026年09月19日 10:02

事故物件を原状回復 特殊清掃員が見た「変な部屋」(3)現金で3000万円を持参して

2026年09月19日 10:02

 もっとも、恐怖体験ばかりではない。時としてゴミの山からお宝が発掘されることもある。

「未開封のポケモンカードが出てきました。包装フィルム付きの未開封ボックスが大量に見つかり、今年初めに4500万円で買い取りました。偶然にも今年はポケモン誕生30周年。金融資産としての価値がどんどん上昇して、現在は1億7000万円~2億3000万円の評価額だといいます」

 ゴミ屋敷だからといって貧乏だと決めつけるのは早計だ。埋蔵金よろしく数千万円単位の現金が見つかるケースはゼロではない。

「過去に、大阪の西成に住んでいた生活保護者の遺品整理で、数百万円の現金が出てきたこともありますが、振り返ってみると豪邸から価値のあるものが出てきた記憶はほとんどありません。生前からきちんと資産を管理されているからだと思います」

 先のポケモンカードと同様にマニア垂涎のレア物だと、後になって思い知らされた逸品もある。

「不二家のペコちゃん人形は象徴的な1つ。ある故人の遺品から、店舗に飾られていた40㌢台のセルロイド製が見つかりました。販売促進のために店舗に飾られていた人形らしいのですが、状態は新品に近かった。それをオークションにかけたところ、初日に100万円を突破し、翌日には200万円の値をつけたんです」

 知る人ぞ知るお宝にどれだけの値打ちがあるのか─。そんな興味をよそに、1人のコレクターが終止符を打った。

「東海地方の方が『現物を見せてほしい』と大阪の店舗まで車で現れ、『いくらなら売ってくれるんですか?』と。対応したスタッフから僕に連絡がありました。ネットで調べても価値がわからず、オークションの期限は残り4日で入札価格は230万円。そこで思い切って600万円とスタッフに伝えると、先方が『そんな値段でいいんですか!』と感激して、その場で現金払い。もっと高い金額だと見積もっていたみたいで、現金で3000万円を持参していたと後からスタッフに聞き、驚いた記憶があります」

 特殊清掃で立ち会う「変な部屋」は奇々怪々。幾多のドラマが、そこにはある。

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