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91年に導入したサンデーサイレンスがもたらす成功をもとに始まったのが、98年に始まった、社台グループ中心のセレクトセール。毎年、1億円を超す値が付く馬が何頭も出た結果、今ではこうしたセリ市場が馬の売買でポピュラーなものになっている。それ以前の馬の流通はフェイス・トゥ・フェイス、すなわち庭先取引で行われていた。ところが、これでは馬をこれから持とうと思う人にはわかりづらく、本来あってないようなサラブレッドの価格も、5000万円が上限とされる慣例もあった。それを欧米のように開かれたセリ市場にしたいと考えていたのが、大生産者の社台であり、とりわけ勝己氏だったのだ。その1回目から見ている牧場関係者は、感慨深げに話す。
「厳選した良質の馬を出しているという自負はあったものの、1回目はちゃんと価格が付くまでは社台の関係者も不安げでした。それが1億円の値が付く馬も出て大成功に終わり、続けていける自信を持つことができた。それもこれも買い手が『サンデーサイレンスの仔を持てば大レースを獲ることができる』と思っていたからです。事実、ディープインパクトにしてもここで買われた馬で、今では父同様に『ディープインパクトの仔を持てば大レースを獲ることができる』と言われるような存在になりました。それはディープインパクトを生産したノーザンファームの信用にもつながり、誰もがノーザンファーム生産の良血馬をこぞって高値で買うようになっていった」
躍進の源としてもう一つ忘れてならないのは、共同馬主クラブ「社台サラブレッドクラブ」を80年に立ち上げ、新しい馬主層を開拓してきたこと。長く続く経済不況の影響を受け、中小の共同馬主クラブの多くは経営破綻に陥ったが、そこに社台がテコ入れ。いくつかを傘下に収め、強大な組織となっているのだ。それを表すと、次のとおり。
■社台ファーム系 社台レースホース グリーンファーム
■ノーザンファーム系 サンデーレーシング キャロットファーム シルクレーシング
■追分ファーム系 GIサラブレッドクラブ セゾンレースホース
このうち本家と言えるのは、社台レースホースとサンデーレーシング。残りの5つは馬の供給面などで社台から援助を受け、傘下となっているクラブだ。
去年のオーナーランキングを見ると、1位はキャロットファームで、2位にサンデーレーシング、3位が社台レースホース、そして6位にシルクレーシング。1位のキャロットファームはとりわけノーザンファームとのつながりが強いため、本家のサンデーレーシングと同等に見られている。違いといえば、口数の違いぐらい。サンデーレーシングが1頭40口(富裕層向け)に対し、キャロットファームは400口(一般大衆向け)だ。
いずれにせよ、今では社台グループのクラブ馬が競走馬の主流となっており、中でもノーザンファーム系の成績はズバ抜けていい。
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