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記事全文を読む→競馬界の巨大王国「ノーザンファーム」の独走と野望(1)ワンツーフィニッシュ続々
スポーツ紙、競馬専門紙の馬柱を見ると、生産牧場の欄にこれでもかと躍る「ノーザンファーム」の文字。今、この牧場がなければ中央競馬が成り立たないのでは、とさえ思われるトップ組織である。競馬界に君臨する「有力馬製造機」は、いかにして台頭してきたのか──。
現在の競馬は「社台の運動会」と称される。競馬界に圧倒的な影響力を発揮する競走馬生産集団「社台グループ」の馬ばかりが走っている、という揶揄だ。中でも圧倒的に勢いがある生産牧場が「ノーザンファーム」。次から次へと活躍馬が登場することで、今やグループ内で一大王国を築いていると言っていい。
4月19日の皐月賞(GI)には6頭の生産馬を出走させ、そのうちのドゥラメンテとリアルスティールがワンツーフィニッシュ。4着ブライトエンブレムもノーザン生産馬だった。その前週の桜花賞(GI)は、クルミナルが2着。産経大阪杯(4月5日・GII)は、あのキズナを破って勝ったラキシスがノーザンの馬だった。さらに3月8日は東西のメイン、弥生賞(GII)と大阪城ステークスで、それぞれサトノクラウンとブライトエンブレム、ヒストリカルとマウントシャスタがともにワンツーフィニッシュ──。そういえば13年のジャパンカップは、1着から4着までを独占したことも記憶に新しい。
もちろん好成績はこれだけにとどまらず、とりあえずノーザン馬の馬券を買っておけばいい、と思ってしまうほどの実績を残しているのである。
JRAの生産者年間収得賞金も3年連続トップで、昨年はとうとう夢と言われていた100億円の大台を突破するという、とてつもない記録を成し遂げた。いったい何がここまでの存在にならしめたのか。
社台はグループという名が付くように、3つの会社組織で成り立っている。創設者の吉田善哉氏が死去した翌年の94年、長男・照哉氏が社台ファームを、次男・勝己氏がノーザンファームを、三男・晴哉氏が追分ファームを相続する形で新たにスタート。競い合う形で事業を拡大してきた(ただし、種牡馬事業とクラブ事業は共有している)。当時を知る北海道の牧場関係者はこう言う。
「善哉さんは亡くなるまで相続税対策をしていなかったので、残された兄弟は莫大な相続税の支払いに苦労したと聞きます。事業が軌道に乗るようになったのは、スタートした年にデビューしたサンデーサイレンス産駒が瞬く間にビッグレースを席巻してから。フジキセキが朝日杯を、ジェニュインが皐月賞を、タヤスツヨシが日本ダービーを勝利して勢いがついた。勝己さんは『種牡馬で何もかもが決まる』と常々言っていますが、サンデーの血が偏ってきた今こそ、その言葉の持つ意味は大きい。実際、次々に外国からサンデー牝馬に合う新種牡馬を導入し、すでにハービンジャーは好成績を上げています」
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