社会
Posted on 2015年08月22日 09:59

佐野研二郎氏のロゴが群馬で採用された不透明な過程とは?

2015年08月22日 09:59

20150822sano

 群馬県の太田市がいま、“佐野”の話題で盛り上がっている。とは言っても、車で30分の近所にある佐野ラーメンで有名な佐野市のことではない。いまや日本で最も著名なグラフィックデザイナーの一人となった、佐野研二郎氏のことである。

 太田市では来年度にオープンする「おおたBITO 太田市美術館・図書館」のロゴを、7月1日に発表していた。このデザインが佐野氏の手によるものだったため、市では外部の弁理士らに委託して盗用がないかを調査することになったのである。太田市出身のライターが笑いながら話す。

「太田はスバルの工場がある企業城下町で、全国的に話題になるのはせいぜいお正月の“ニューイヤー駅伝”くらい。それがいま、テレビやネットで太田の名前がバンバン出るので不思議な気分です(笑)」

 その佐野氏がデザインした東京五輪の公式エンブレムが発表されたのは、7月24日のこと。つまり太田市が佐野氏案を採用したのは、盗用疑惑が浮上するよりも前のことだったのだ。太田市もとばっちりを受けたようなものだが、このロゴデザインの過程に疑問を差し挟むのは、美術館などの事情に詳しい建築士だ。

「おおたBITOでは設計コンペを行っており、5社のなかから現在の設計事務所を選定。さらに3つの案を出させ、市主催のワークショップで最終案を選定するという厳格な手続きを取っています。ところがロゴデザインに関してはコンペもなにもなく、いきなり決定案が発表されたんですね。この差はなんなのかと不思議になります」

 太田市ではおおたBITOのオープンに向け、詳細な資料を公開。事業概算のページには館長の人件費まで明記されている。その一方で、佐野氏にデザインを依頼した経緯やデザイン料については一言も記載がなく、たしかに不自然さを感じずにはいられない。

「地方自治体の文化施設では、外部の業者に運営コンサルティングを委託するケースが多いんです。おおたBITOでも、ディレクションなどの名目で年間1500万円が計上されています」(前出の建築士)

 その手の運営コンサルティングには、大手広告代理店が一枚絡んでいることも少なくない。ともあれ佐野氏絡みではいま、どんな案件であってもあらぬ疑いが掛けられるのは避けようがないだろう。

(白根麻子)

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