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記事全文を読む→重大病が見つかるチェックリスト「五十肩」
9月に入り、例年ならまだまだ残暑が厳しい時期ですが、今年は何となく秋の訪れが早いようにも私は感じていますが、皆さんはいかがでしょうか。いずれにしてもこれから季節の変わり目となりますから、体調管理は怠りなきよう、ご自愛ださい。
過ごしやすい季節になり、夏バテも回復してくると、ちょっと運動でもしてみようか、という気持ちになる人も多いでしょう。しかし、ふだん運動していない人が、急に体を動かす時に気をつけてほしいのが「五十肩」(四十肩とも言います)です。例えばゴルフの素振りをしたり、重い荷物を持った瞬間、肩に「バキバキッ!」と激痛が。以来、肩に鈍痛を抱え、その痛みが肩を動かす動作、例えばシャツの着脱などで肩を上げようとすると徐々に強く鋭くなってくる「五十肩」の正式名称は、「肩関節周囲炎」です。40代以降によく見られ、明らかな原因が指摘できないことが特徴で、肩の関節の老化によって生じるとされています。
20歳以上の約6000人の男女を対象に「体の痛み」に関する調査を行ったところ、約3割の人が五十肩や肩凝りで痛みを感じたことがあると回答。多くの人がこの痛みに悩まされていることがわかります。重症になると、洗髪、歯磨き、炊事、洗濯、電車のつり革につかまる、寝返りを打つといった日常の動作さえ不自由になることもあります。
これは、痛みのために肩の関節の動きが制限され、肩が上がらないなどの症状が出てくるからで、夜間に痛みが強くなることも特徴の一つ。夜間疼痛を訴える人の約4人に1人が五十肩と診断されています。
ただし、似たような症状でも、腱板が切れてしまう腱板断裂や、腱板のカルシウムが沈着する石灰沈着性腱炎など、別の病気である可能性もあります。「もしかしたら‥‥」と思ったら、自己判断せず、整形外科を受診してください。
それを踏まえて、チェック項目(ページ下部)を見てみましょう。五十肩は突然の痛みで気づくことが多いのですが、早期発見するために、肩を動かしてみて、どこが痛いかのセルフチェックも大事。【2】~【6】のような動きをしてみて、痛みを感じる、またはスムーズにできないようであれば、五十肩の疑いがあります。その他は五十肩になりやすいと思われる人。特に【10】の人は、いつ発症してもおかしくありません。
五十肩は、長年腕や肩を動かしているうち、肩関節にある回旋腱板が疲労してもろくなり、周辺組織に炎症が起きた状態です。特に肩関節は可動域(肩を動かす範囲)が広く、その酷使によって不具合が生じます。つまり「老化現象」とも言え、超高齢化社会となった現代では、かなり高齢になってから症状が出る人もいます。また強い痛みを伴い、数カ月で治る人もいれば、数年以上続く人もいます。いつ治るかわからない不安や、思うように肩を動かせない不自由さも付きまといますが、過度な心配は不要です。多少時間はかかるかもしれませんが、治らない病気ではないのです。
というわけで、五十肩が疑われたら、早期に整形外科医による診断を受け、消炎鎮痛剤の服用、湿布の貼布、軟膏の塗布、理学療法など、適切な治療を受けましょう。急性期(痛みが発した直後)は、肩を動かさないようにして安静を保ち、痛みが生じないようにします。また、腫れや熱を持っている時は、氷水などで冷やします。
痛みが和らいできたら、むしろ保温して血行をよくし、肩を動かしやすくしたうえで、症状に合わせてストレッチや肩の運動を行いす。痛みが消えれば肩の動きもよくなりますが、長期間肩を動かしていなければ可動域が狭くなるおそれがあります。そうならないよう、きちんとリハビリを行うことが早期回復のポイント。自分で治すという強い気持ちを持って取り組みましょう。
肩のリハビリとなるストレッチや運動の方法はいろいろありますが、ここでは基本的なものを2つ紹介します。
1つ目は「アイロン体操」。
(1)腰くらいの高さの台に痛くないほうの腕を乗せ、体を直角に曲げる。痛いほうの手でアイロンを持ち、腕や肩の力を抜いて下げ、アイロンの重さを利用して前後に小さく、しだいに大きく振る。
(2)次はアイロンを左右に振る。
(3)最後は円を描くように右回し、左回しで振る。これは整形外科で指導ざれる運動療法で、1回の運動時間は5分と短いのですが、肩に負担をかけずに毎日行うことで肩の可動域を少しずつ広げていきます。アイロンの代わりに500ミリリットルのペットボトルを使ってもいいでしょう。
2つ目はお風呂で体を温めて行う「指階段療法」。
(1)痛むほうの肩を壁に向けて浴槽につかる。
(2)肩までつかって体が温まったら、痛むほうの腕の人さし指と中指を壁に当て、そのまま2本の指で歩くようにして、少しずつ腕を上に動かしていく。多少の痛みはこらえ、できるだけ腕を上まであげるように。
(3)もうこれ以上あがらないところまできたら、腕に体を預けるように寄りかかり、そのまま10秒程度、肩や腕の筋肉を伸ばす。入浴中は血行がよくなるので痛みを感じにくく、またお湯につかっていると浮力によって体が軽く感じられるので、ふだんより肩が動かしやすくなります。のぼせないよう、お湯の温度は40℃くらいに。毎日少しずつ繰り返し運動すると、だんだんと肩の可動域が広がり、腕も動くようになります。
五十肩は、男女を問わず、運動量の多い職業よりも、デスクワークでふだんあまり筋肉を使わない人に多く発症する傾向があります。ちょっとした急な動きや慣れない仕事などで発症するようです。肩の関節を日頃から動かしたり、血行をよくしたりしておくと、五十肩の予防につながります。これから迎える“運動の秋”が、五十肩で台なし、なんてことにならないよう、ご注意ください。
──五十肩チェック項目──
【1】40歳以上である
【2】両腕を真上に上げると痛い、またはスムーズにできない
【3】両腕を肩の高さで上下させると痛い、またはスムーズにできない
【4】両腕を曲げて、外に開くと痛い、またはスムーズにできない
【5】両腕を腰の後ろで組むと痛い、またはスムーズにできない
【6】両腕を首の後ろで組むと痛い、またはスムーズにできない
【7】日頃、運動をほとんどしていない
【8】デスクワークが多く、体を動かすことが少ない
【9】ひどい肩凝りである
【10】左右の肩の形が違う
※【1】に該当し、【2】~【6】のうちの1つでも当てはまれば、「五十肩」の疑いがあります。【7】~【10】に多く当てはまる人も注意が必要です。
◆監修 森田豊(もりた・ゆたか) 医師・医療ジャーナリスト・医学博士。レギュラー番組「バイキング」(フジテレビ系)など多数。ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修も務めた。
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