政治

小沢一郎「来年オレが総理をやるッ」(2)「隠し玉」を求める声も出た

 その後も「小沢詣で」は続く。全国紙政治部デスクが説明する。
「22日には、海江田陣営幹部が、小沢氏と面会。小沢氏は『まだ様子を見たほうがいい』と、翌日に予定していた立候補を制止しました。この幹部は『小沢さんの態度がハッキリしないうちは様子見だ』と困惑気味でしたね」

 さらに同日、鹿野道彦農水相(69)も小沢氏を訪ね、
「小沢さんを復興担当大臣に」と、具体的な「ポスト」という餌をブラ下げる作戦に出たものの、色よい言質は取れなかったという。というのも、
「小沢氏は『鹿野はダメだ。海江田はタイミングを逃した』と、周囲の関係者に語っていたからです」(民主党代議士秘書)
 当初、NO2の有力候補と言われた鹿野氏に関しては、次のようなエピソードがある。「鹿野氏の立候補呼びかけ人は最初、32人いました。その中に北辰会(当選1回の小沢グループ衆院議員約50人で構成)のメンバーも交ざっていましたが、小沢氏サイドから、電話による指示があったんです。『親分がまだ決めていないのに、勝手な行動をするな』と。それで、鹿野氏の勢いは鈍りました」(安積氏)
 さて、小沢氏はその後も「見極め」のため、激しく動く。
 8月25日には、議員会館の事務所にグループ議員を次々に呼んで情報を集めた。この席で、候補者とされる顔ぶれについて、あらためて論評。最有力とされた前原誠司氏( 49 )を「思ったより(支持の)広がりがないようだ」と分析すると、海江田氏については「人が集まるかどうかだ」。さらに鹿野氏を「発信力がない」と、バッサリ斬り捨てたのだった。そのうえで小沢氏は、こう言及したという。「非主流派で一本化できるかどうかが問題だ」
 これは何を意味するのか。党内でいわゆる主流派とされるのは、前原氏や野田氏。鹿野氏と、同じく立候補した馬淵澄夫氏(51)は中間派という位置づけにある。彼らとは一線を画す候補者の支援を模索する、ということだった。
 さらにグループ議員からは、「隠し玉」を求める声も出たという。すなわち、まだ名前のあがっていない人物を担ぐという意味である。
 それに呼応するかのように、小沢氏は同日、国会内で、今回の代表選で小沢氏の「相談役」となった鳩山由紀夫氏(64)とひそかに会談。
「小沢氏は『民主党の原点回帰に協力を得られるよう、明日1日かけて調整しよう』と、新たな対立候補の一本化を確認。同時に、乱立する候補者についても『力が分散してはいけない』と、前原氏支援の見送りとも取れる発言をしたようです」(前出・政治部デスク) 小沢氏のこうした激しい動きを警戒するかのように、23日には、前原氏の後見役を担う仙谷由人官房副長官(65)が小沢氏との会談を持っている。
 仙谷氏といえば、かねてから「反小沢」の急先鋒として知られる過激な論客。仙谷氏はなんとこの席で、
「挙党一致体制を作りたい」と、小沢氏に協力を要請したのだった。ところが、案の定というか、小沢氏はこのセリフに憤慨。
「こちらは最初から挙党一致でやろうと言っているのに、あんたがオレを一方的に排除したんじゃないか」 なりふりかまわぬ仙谷氏のスリ寄りも奏功せず、かえって剛腕の怒りを増幅させる形となってしまったのである。
 さながら激烈な「小沢争奪戦」の様相を呈した民主党代表選。だが小沢氏はその先に、大きな「野望」を見据えていたのである。

カテゴリー: 政治   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
2軍暮らしに急展開!楽天・田中将大⇔中日・ビシエド「電撃トレード再燃」の舞台裏
2
不調の阪神タイガースにのしかかる「4人のFA選手」移籍流出問題!大山悠輔が「関西の水が合わない」
3
ボクシング・フェザー級「井上尚弥2世」体重超過の大失態に「ライセンスを停止せよ」
4
「メジャーでは通用しない」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「獲得に虎視眈々」
5
新庄監督の「狙い」はココに!1軍昇格の日本ハム・清宮幸太郎は「巨人・オコエ瑠偉」になれるか