芸能

ニッポンの“CMシンデレラ”50年の名場面(4)「遠山景織子・南アルプスの天然水(1992年)」

20160218o

 信州の美しい風景をバックに、可憐な少女が胸キュンのコマーシャルで鮮烈に登場。92年にオンエアされた「南アルプスの天然水」の遠山景織子(40)のことだ。

──90年代のCM史に輝く名作ですが、せっかくなので今、一緒に観てみましょうか。

遠山 はい‥‥ちょっと恥ずかしいですけど(笑)。

──南アルプスの山道を、セーラー服のまま駆け抜けて行きます。

遠山 撮影の日は早朝から走りっぱなしでしたね。

──スレンダーなイメージがあったけど、意外に健康的なふくらはぎが画面に映っている。

遠山 中学ではバドミントンをやっていたので、筋肉がしっかりついていますねえ。撮影の時で14~15歳だから、まだ太い感じ。

──すれ違う野球部の生徒と、淡い恋心を思わせるシーンもあります。

遠山 実は何年か前にテレビの企画で、あの野球部員役の人との再会をお願いしたんです。ただ、その人が地元のエキストラさんだったので、消息はつかめませんでしたね。

──このCMで遠山景織子の名も広く知られることになりましたが、芸能界に入ったきっかけは?

遠山 私、東京の町田市の生まれで、そこから出ることは当時許されてなかったんですけど、友達とこっそり原宿へ行って、そこでスカウトされました。父には「町田の駅前で」と言ったんですが、すぐにバレちゃいましたね(笑)。

──ヒットCMに出たことの影響は大きかったと思いますが。

遠山 はい、普通に歩いていて「天然水!」と呼ばれたこともあります。それよりも、このCMに出たことで、「女優」の仕事をしたい、と強く思うようになりました。カメラの前で、ストーリーを表現することのおもしろさに目覚めたんです。

──それが93年の映画「高校教師」(東宝)につながった?

遠山 はい、ドラマ版を観ていたので、これはぜひオーディションを受けたいと事務所の社長にお願いしました。

──教師(唐沢寿明)と禁断の恋に陥る設定はドラマと同じですが、映画ではプールに飛び込む場面でみごとな一糸まとわぬ姿を披露。撮影時はまだ17歳で、脱ぐことへのためらいはなかったですか?

遠山 ヒロインの繭(まゆ)と先生の心があそこで一つになる大事なシーンなんです。台本を読んで、ここで脱ぐということはなくてはならないと感じていたので、抵抗はありませんでした。

──女優魂がすでに芽生えていますね。

遠山 いえいえ、オーディションの間も「なんて大根な演技なんだろう」と思いましたし、泣かないといけない場面でも涙が出てこない‥‥。

──現場は「涙待ち」の状態になりますね。

遠山 唐沢さんが私のもとに走ってきて「お前、悔しいだろ」って言ったんです。そのひと言で感情がウワーッとはじけて、涙を流すことができました。いつか私も、後輩にあんな的確なアドバイスができたらいいなと思いますね。

──今では「日本でいちばん美しい涙を流す女優」の定評もありますから、十分に模範になれるはずです。

カテゴリー: 芸能   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「京都崩壊」の信じがたい現実…外国人観光客専用都市に激変した「不気味な風景」
2
商品価値が落ちたヤクルト・村上宗隆「メジャー計画変更」で大谷翔平と同じ道を
3
【米ゴルフツアー】コリン・モリカワが生放送で松山英樹に「放送禁止用語」/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
4
フジテレビ・山本賢太アナが行方不明に!? 「代役」登場と「謎のテロップ」
5
土壌ラドン濃度・衛星観測・上空発光…火山噴火と大地震「前兆キャッチ」の新技術がスゴイ!