スポーツ
Posted on 2012年06月07日 10:59

松井秀喜「逆襲のフルスイング」(3)

2012年06月07日 10:59

ダルの移籍で後回しにされた
 メジャーの世界では、30代後半の指名打者タイプが買い叩かれること。そしてメジャーは、選手の実績ではなく、チームの経営状況で年俸が決まり、不景気で選手契約が遅れがちな傾向はわかっていたはずだ。
 だが、松井自身も「浪人状態」が、今年5月まで長引くとは、この時、想像していなかったのではないだろうか。
 年が明けた今年の1月4日、松井は母校・星稜高校を訪ね、恩師・山下智茂総監督と会談した。所属先が決まらないままでの母校挨拶は、渡米後初めてである。
 山下総監督が教え子の胸中を代弁した。
「日本球界への復帰はないと思う。『巨人を裏切って出ていった』という思いがあるから。そういうところはすごく真面目で」(同日会見より)
 そうした中、移籍先としてロサンゼルス・ドジャースが急浮上してきた。
「いくつかの企業グループが破産したドジャースの買収を進めているが、そのうちの1つにアーン・テレム氏も参画する企業がある。買収(競売)に成功すれば、氏が球団社長に就くのではないか」(11年12月28日付 ロサンゼルス・タイムズ紙)
 アーン・テレム氏は、松井の代理人を務めている。「社長就任のあかつきには松井も一緒に」と“想像”を膨らませた一部メディアもあったが、多くの米国メディア側は一笑に付した。
 前出・メジャー代理人事務所スタッフがその舞台裏を明かす。
「テレム氏にとっては例年以上に多忙なオフでした。ダルビッシュ有(25)=レンジャーズ=の契約に加え、MLBの労使問題の調停役も務めていました。松井が二の次にされたとは言いませんが・・・結果として出遅れることとなった」
 去就未定のまま、松井は再び米国に向かう。
 ニューヨーク郊外の自宅近くで練習を再開した松井だが、去就問題は一向に進まない。今年1月16日付の米各紙には、
「ヤンキースGMが松井、ジョニー・デーモンとも接触した。100万ドルから200万ドルの予算で『第2DH候補』を探している」
 という内容が一斉に報じられた。恐らく松井も古巣帰還に期待していなかったといえばウソになるだろう。
 だが、事態は一向に進まなかった。キャンプはもちろん、オープン戦も始まった。松井ではなく、ヤンキースの「第2DH」の座を射止めたイバニェスがオープン戦で打率1割5分と不振で、「(ヤ軍の)キャッシュマンGMはマツイの電話番号を覚えているはずだ」(CBSスポーツ)と、ラブコールがささやかれたが結局、ナシのつぶてだった。

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