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記事全文を読む→天才テリー伊藤対談「毒蝮三太夫」(3)改名は最初、本当に嫌だったなぁ!
テリー どんな経緯で、まむしさんは「笑点」の座布団運びになったんですか?
毒蝮 あれはね、たまたま談志と俺が友達だったんですよ。大学1年ぐらいの時に知り合ったの。ある役者がいて、俺が「落語が好きだ」って言ったら談志を紹介してくれて、当時は「柳家小ゑん」って名前だった。同い年だし、ウマが合ったんだな。
テリー あ、談志さんと同い年なんですか?
毒蝮 そう。寄席に通ってるうちに、談志が楽屋へ入れてくれるようになったのよ。当時、新宿の末広亭なんかは桂文楽師匠、古今亭志ん生師匠、三遊亭圓生師匠、柳家小さん師匠と、大師匠がわんさといてさ。もう、その入りにくさといったら。
テリー そりゃあそうですよ。ヘタなとこに座っただけで怒られるし。
毒蝮 「そこは師匠が座るとこだ!」なんてね。でも、俺が寄席のしきたりなんか知るわけないじゃない。だから、「いやあ、どうも」って、いきなり(三笑亭)夢楽師匠の座布団に座っちゃったわけ(笑)。
テリー ありゃりゃ、そりゃダメだ!
毒蝮 でも不思議と師匠連中は嫌な顔ひとつしないで「ああ、どうぞ、どうぞ。お稼ぎですね。テレビで観ましたよ」なんて言ってくれたりするんだよ。本当かどうかはわからないんだけどさ(笑)。
テリー 普通ありえないですよ、そんなの。
毒蝮 で、談志はそれを見ていて、「師匠たちがああだったら、お前がこの世界へ入ったって絶対みんな嫌わないよ」って。そのあとも談志から、「師匠連中が『今度、石井君はいつ来るんですか』って言ってるから、お前来いよ」って。
テリー へぇ~、そうやって落語界との接点ができて、のちの「笑点」へつながっていくんですね。
毒蝮 本当は、俺の前に三升家勝松っていう座布団運びがいたのよ。でも彼は二つ目だから、真打になってる(三遊亭)円楽さんの座布団なんかひっぱがせないって言うの。取る時もそーっと取ったりしてるから、「もっとバッと取れるようなヤツじゃないとまずい。だったら、お前がちょうどいい」と。
テリー なるほど。
毒蝮 だけど、いきなり「座布団運び、やれ」ったって、やれるもんじゃないよ。だって当時の俺はヒーローだからね(笑)。ウルトラマンを倒したゼットンは、俺が最後にやっつけたんだよ?
テリー ハハハハ、そりゃそうだ! 地球を守った人が座布団を運ぶっていうのは、子供も驚きますよね。そのうえ、名前も変わってるし(笑)。
毒蝮 最初は「石井伊吉こと毒蝮三太夫」だったのよ。三太夫っていうのは、その前に談志と5分のショートドラマをやった時の役名。で、毒蝮ってのは、落語の中に「まむしみたいにやなヤツが来たね」とかいう言い回しがあって、円楽さんたちが「まむしも付けちゃえ」と。で、怪獣にも負けないような名前ということで「毒」を付けて毒蝮三太夫になった。
テリー しかしあらためて考えるとすごい名前(笑)。
毒蝮 そうだよ。最初は日テレに抗議は来るし、「毒蝮になった」なんてカミサンにも親にも言えないよ。
テリー あ、改名の件は伝えなかったんですか?
毒蝮 カミサンは当時働いていて、「笑点」観てなかったからすぐにはバレなかったけど、半年くらい経ったら、「あんた、ヘビになったの?」って(笑)。
テリー アハハハハ!
毒蝮 まぁ今は、みんなに「まむしさん」とか「まむちゃん」とか言われるようになってよかったけどね。最初は「おかしな名前になっちゃったなぁ」って。本当に嫌だったね。
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