芸能
Posted on 2016年06月23日 05:57

天才テリー伊藤対談「山本晋也」(3)赤塚先生は予測を超えた変な人だよ

2016年06月23日 05:57

20160623o

テリー その後、カントクは赤塚不二夫さんが企画・原案・脚本を手がけたギャグ映画「下落合焼とりムービー」(79年)を撮るじゃないですか。これは、どういう経緯だったんですか?

山本 赤塚先生と知り合ったのは、1978年に映画を撮った時、「ポスターイラストを赤塚さんに描いてもらおう」って頼みに行ったのがきっかけ。

テリー あ、それまで面識はなかったんですか?

山本 もちろん。これがバカバカしい映画でさ、昔「演歌チャンチャカチャン」って歌がはやったでしょう? あれをポルノにしたらおもしろいんじゃないかって、演歌を全部春歌に変えてやったわけよ。「3日遅れのおソソを乗せて~♪」とかね(笑)。

テリー アハハハハ!

山本 当時から赤塚先生が変わった人だという噂は聞いていたし、「こんなくだらない映画なんだから、ぜひ先生にポスターをお願いしよう」と、紀伊國屋書店でサイン会をやってるところを出待ちして、声をかけたわけ。

テリー え、アポなしで?

山本 そうなんですよ。そしたら「キミの映画は知ってるよ!」って、快く引き受けてくれて。だけどあとから聞いた話だと、僕が喫茶店で大きな声でポルノ映画の話をするもんだから、恥ずかしくって早く帰らせるために話を切り上げたらしいんだけどね(笑)。

テリー そこから、赤塚さんとつきあうことに?

山本 当時、赤塚先生には「面白グループ」という遊び仲間がいたんですね。最初は滝大作さん、高平哲郎さん、山下洋輔さん、坂田明さん、内藤陳さんとかがいて、のちにまったく無名だったタモリさんや所ジョージさん、それからTHE ALFEEの坂崎幸之助さんなんかが加わっていく。そこへ僕も、自分の映画の常連だったたこちゃん(たこ八郎)や柄本明を連れて、飲みに行くようになって。

テリー 僕も、たこさんから、話をよく聞かせてもらって、「俺も仲間に入りたいなぁ」って、いつも羨ましく思ってましたよ。

山本 ああ、そうだったんだ(笑)。それで、ある日の深夜3時ぐらいに、面白グループと飲んでいた赤塚先生から突然電話がかかってきたんですよ。「今、映画を作ることになったんだけど、撮るのはカントクに決まっちゃったの」って(笑)。

テリー ワハハハ、すごい話だ。ところで、カントクから見て、赤塚さんというのはどんな人でしたか?

山本 とにかく僕たちの予測を超えた変な人でしたね。例えば「明日、餃子パーティをやるから来ない?」って言われて、次の日に先生の事務所に向かったら、赤塚先生が道路に布団を敷いて寝てるんです。

テリー 何ですか、それ?

山本 いや、僕もわからないから聞きましたよ。そしたら、「これ、おもしろい?」って、それだけ(笑)。もう一事が万事、そんな調子でね。映画も、ものすごくお好きで、仕事場には映画のVHSがズラ~ッと並んでて、話しだすとまあ、細かいし、うるさい(笑)。

テリー カントク、こりゃ赤塚さんの話だけで本が1冊書けそうですね。

山本 そうだな、いつか書きたいね。よく覚えてるのは、「先生、よく『これでいいのだ』っておっしゃってますけど、何でもかんでもに使っちゃ変じゃないですか?」って言ったら、「あれは、高いハードルを越えた時に初めて使う言葉なんだよ」って。

テリー 悩み苦しまないとその境地まで行けない、ということですね。深いな。

山本 そう。だから僕は、死ぬまで「これでいいのだ」って言うことはないんじゃないかな。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月17日 07:15

    20世紀最大級のミステリーと言われてきた、イギリス・スコットランドのネス湖に生息するという未確認動物(UMA)の「ネッシー」に、再び熱い視線が注がれている。いったいなぜか。一時期は目撃情報が激減し、専門家からは死亡説や、人間の活動を警戒して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク