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記事全文を読む→天才テリー伊藤対談「小林克也」(3)コントの時に自分の地声は封印した
テリー そんなふうに始めたラジオDJで有名になったあと、伊武雅刀さん、桑原茂一さんと組んだユニット「スネークマンショー」で大ブレイクするじゃないですか。ラジオもレコードも僕は大好きでしたけど、「音楽でこんな勝手にイタズラしてもいいんだ」という革命でしたね。
小林 あれはまさにイタズラでした(笑)。僕はもともと曲をかける前に「この曲はこうで、こうで」みたいな、つまらない解説を入れるのが嫌いだったんですよ。海外のラジオみたいに気の利いたひと言をポンと言って、曲に入りたいと思っていて。
テリー ああ、向こうのDJはしゃれてますよね。それまでの話を引き継ぐような形で、曲にスッと入ったりしてね。
小林 ですよね。僕が好きだったアメリカのウルフマン・ジャックというDJが「音楽というのは、すでに一つの世界を持っているんだから、それを際立たせればいい」と言っていて、「スネークマンショー」では、まさにそれをやろうと思ったんです。だから初期の頃は、女性がシャワーを浴びながら鼻歌を歌っている音を見つけてきて、そこにエコーをかけた「エッヘッヘッヘ」という笑い声をかぶせたりしただけのものを曲の前に流したりしていたんですよ。
テリー それだけで、ストーリーができますよね。
小林 そうなんです。それで女性が「キャー」と叫ぶと、ドゥーワップの曲がドゥンドゥンと入ってくるみたいな。何だかわからないけど、それだけでおもしろい世界になる。そういうことをやろうと思って始めたのが「スネークマンショー」だったんです。
テリー 伊武雅刀さんがまた、演技も声も抜群でしたよね。
小林 彼はその頃、FM東京でナレーションの仕事をしていて、おもしろいヤツだったので「ちょっと来いよ」って誘ったのが最初ですね。それで、やっぱりウルフマン・ジャックが「ラジオで売れようと思ったら、顔は見せないほうがいい。『あいつ、どんなヤツだろう?』と想像させるのがいいんだ」と言っていたんですね。
テリー なるほど。
小林 だから「スネークマンショー」でコントをやる時は、僕らはそれぞれ、それ用のキャラクターを作ったんです。なので、小林克也の地声は一度も使わなかったんです。しかも当時は伊武のことも誰も知らなかったから、「何なんだ、あれは?」みたいな世界ができた。やっぱり、それがよかったんだと思いますね。
テリー かかる曲もカッコよかったですよ。
小林 ああ、それはうれしいですね。「スネークマンショー」でもう一つやりたかったのが、日本にあまりない音楽を紹介することだったんですよ。例えばジェームス・ブラウンやプリンスみたいな音楽、ヒップホップって、実は日本にないんですね。例えばフォークミュージックなんかは、日本に来るとニューミュージックに変化するんですよ。
テリー ああ、“和風”になっちゃうんだ。中国から来たラーメンが、日本人に合った別の似たものになっちゃうみたいな。
小林 そうそう。ラップなんかも、例えばケツメイシの「さくら」みたいに、ちょっと詩情を描くというか、日本独特のものになる。それが悪いっていうんじゃなくてね。
テリー いちいち面倒な感じなんですかね。
小林 いや、個性的でそれもアリだと思います。今でいうと、日本のアニメの音楽なんかは、海外の音楽の影響を受けずに独自の進化を遂げていますからね。それも一つの流れなんでしょうね。
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