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記事全文を読む→森高千里「私がオバサンになっても」(後編)(1)“脱ミニスカ”までの道のり
フワッとひるがえったミニスカートの裾から120%の脚線美を露出させ、史上最強のアイドル・森高は完成した! いったんは「ミニスカ美脚=森高」で固まったイメージをみずから打ち破り、不朽のラブバラードを歌うまでに成長したJポップシンガーの軌跡をひもとく。
今や、メイド姿のコスチュームは、一般的になりつつあるが、その先駆者こそ、森高千里だったと言っても過言ではない。
「いらっしゃいませ」のポーズでお尻を突き出す森高ウエートレス。ピンクと白のストライプ柄の扇情的なミニスカ姿は男たちの目線を釘づけにした。レコード店に置かれたシングル「ザ・ストレス」の販促用の立て看板は、当時オークションで10万円の高値をつけたお宝グッズとなった。
こんな森高のド派手なコスプレに真っ先に食いついたのが、熱狂的な男性ファン、俗に言うアイドルオタクたちだった。アイドル評論家の高倉文紀氏は森高の“変身”を振り返る。「デビュー当時の森高さんは圧倒的な美人ではあったが、アイドルとしての派手さに欠けていました。そこへまだ世間に認知されていないコスプレ、アンナミラーズのようなコスチュームを森高さんが着たのがインパクトが強かった。しかも、あの美貌とスタイルのよさで奇妙な歌を歌うギャップがアイドルファンに歓迎されたのです」
80年代後半、全盛を迎えたおニャン子クラ後編ブのブームが去り、アイドルにとって冬の時代と言われる中で、“突然変異”として登場したのが森高千里という存在だった。音楽評論家の宝泉薫氏はデビュー当時に森高を取材していた一人だ。
「その当時の森高さんは、無口で地味、服もモノトーンという印象です。まったく芸能界にスレていない感じで、インタビューでは北海道での映画の撮影が寒くてつらかった、なんて率直な打ち明け話をしてくれたのを覚えています」
そんな普通の少女が劇的に切り替わったのが、89年2月に発売された「ザ・ストレス」、そしてブリブリの超ミニスカコスチュームが代名詞となった同5月発売の「17才」であった。さらには7月に発売された4枚目のアルバム「非実力派宣言」のジャケットはバブル時代を象徴するようなワンレンのロングヘアにミニスカ、ハイヒールというみごとなまでの完全コスプレ武装。森高はオタクサブカルチャーの偶像(アイドル)として崇められていくのだ。
「それ以前にもアイドルはミニスカートをはいていましたが、森高さんはコンピュータの打ち込みを使った無機質なユーロビートとアイドル的なルックスを合体させるのに成功した。CD時代にデジタル感覚でアイドルのエロスを表現した最初の人でしょうね」(前出・宝泉氏)
この印象があまりにも強烈すぎただけに、その反動も強かった。
「売り出すためにミニスカをはくことは本人も納得でしたが、ミニスカ=森高のイメージがあまりにもパーフェクトだったため、一度このスタイルで売れてしまうと、そこから抜け出せなくなってしまった。一度は本人の希望でスカート丈を長くしたこともあったが、『やはりこれでは売れない』という判断があり、再びミニスカに戻ったことがあると聞きました」(当時を知る音楽ライター)
このイメージの一人歩きは森高を困惑させた。
翌90年発売の「臭いものにはフタをしろ!!」のカップリング曲「のぞかないで」は「のぞかないでよドスケベ それじゃチカンと同じよ」と、パンチラ盗撮を狙うパパラッチをあからさまに嫌悪している気持ちを歌っているが、実際、雑誌のインタビューで、彼女はこの歌が実話に基づくものだと明かしている。〈実際に、スカートの中をのぞかれてもの凄くヤダったっていうことがあって‥‥。やっぱり女の子の気持ちとしては、そういうのって許せないでしょ。だって、私は自分がファッションとして好きだからミニ・スカートをはいているわけで、別にのぞかれるためにはいているわけじゃないから〉(「オリコン」90年6月4日号)
森高は、このインタビューのあと、トレードマークだったミニスカを封印。腰まであったストレートの髪をセミロングに切り落とし、作詞から演奏まで1人でこなすミュージシャンへと飛翔していくのだ。
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