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Posted on 2016年09月08日 05:54

大ヒット「シン・ゴジラ」を二度見したくなる7つの秘密(4)取り入れられた震災の傷跡

2016年09月08日 05:54

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 岸川氏も、杉作氏の先の意見に同調する。

「今回の映画が成功した一番の理由は、庵野総監督の作家性の強さです。これまでのゴジラシリーズは、『こんな怪獣がいいのでは』などと意見を出して話し合いを進める合議制で作られてきました。ところが今回は全ての部分で庵野総監督が口を出して統括するピラミッド方式で作られた。恐らく庵野総監督は、東宝サイドの希望をほとんど聞いていないはず」

 徹底的に自分のやり方を通し、ウルトラマンにエヴァ、鉄道など自分の趣味を全開にした「真」骨頂のシンもまた、大ヒットの決め手となったようだ。

「『シン・ゴジラ』は彼の好きなものが全部載せで入っているラーメンのようなもの。観終われば満腹感いっぱい、過去の作品を知らない人にも、庵野総監督がどんな作家なのかがわかるはずです」(前出・岸川氏)

 そもそも、水爆実験が原因で目覚め、口から放射能火炎を吐いていたゴジラには、核へのメッセージが伏線として描かれているが、「シン・ゴジラ」にはこんな社会性も重要なテーマとして込められているという。

「大田区の上陸シーンではボートや船が流され、積み上げられる3.11の津波のような映像が見られます。またラストの“ヤシオリ作戦”ではゴジラを凍結させるために、ハイパーカーが出動しゴジラに凍結剤を注入するのですが、このシーンはまさにメルトダウンした福島原発に消防車が放水した光景を思い起こさせるはずです。しかも、ラストは凍結されたゴジラが東京駅付近に立ち尽くす。まさに、原発と日本人は共存していかなければならないという意味にも読み取れます」(やかん氏)

 前出・岸川氏も同じく指摘する。

「蒲田のシーンを下手にミニチュアで撮れば東日本大震災で津波の映像を見ている日本人にはすぐにウソだと見抜かれてしまいます。今回はデジタル合成で撮っていますが、当然、本物の津波の映像をかなり研究しています」

 東日本大「震」災のシンを描くことで、ゴジラがもたらす災厄が、よりリアルに映し出されたのだ。

 最後に、池田氏が締める。

「現実にヒビを入れられるのが怪獣映画の持っている力です。この映画を観て特撮っておもしろいんだと感じる人は多いはず。特撮をうまく撮れば映画は変わります。何より、映画は遊園地に行くのと同じ、現実には楽しめないものを味わいに行くもの。観客が映画館をエキサイティングな場と信じられる映画だと思います。こう言っている間に、もう一度観たくなってきました」

 一度観た人もまだ観ていない人も、「信(シン)」じられない映像を目撃したいなら迷わず劇場へ。

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