スポーツ

時津風部屋「殺人力士」が角界復帰していた!(3)相撲界の常識は世間の非常識

20160929a3rd

 斉藤さんが急死した問題を受けて発足した日本相撲協会の「再発防止検討委員会」で外部委員を務めた漫画家のやくみつる氏は、こう言って憤る。

「そもそも重大な結果が発生したのに、暴行を加えた本人は犯意が薄いんですよ。そのため、時間の経過とともに記憶も薄れ、もう一度関わりたいと戻ってくるし、相撲界も受け入れてしまうんですよ。もし大変なことをしてしまったという罪の意識があれば相撲界には戻ってこないはずです」

 時津風親方は記者と電話で話した際、「会って話をしよう」と提案。そこで再度、話を聞くべく、国技館へと向かった。先ほどの興奮状態からは落ち着いているように見える。

──親方、この件をことさらスキャンダラスに扱うつもりではなく、国技の倫理としての問題提起をしようと思っているのです。

「(うなずきながら)こちらも別に悪いことをやっているわけじゃないし、コソコソする必要はないんだ。何度も言うが、本人は反省もしている。『わんぱく相撲のコーチでもいいから』と言うので、お願いをしている。それもダメというなら、本人はどうやって生きていけばいいんだ。今日はこれから審判の仕事があるのでこれで失礼するよ」

 元・時太山こと斉藤さんの父・斉藤真人氏は当時、名古屋地裁で判決が下ったあと、報道陣にこう語った。

「納得はしていないけれど、司法の判断に従いたい。兄弟子3人はこれからの長い人生を、人一人を殺したことを忘れずに生きてほしい」

 そして実行犯の3人は、名古屋地裁の前で、

「やったことは取り返しがつかない。一生かけて償っていきたい」

 と、神妙に語ったのである。

 執行猶予が終了し、罪は償ったのだから、何をしても許されるのか。それとも、一定のルールはあるのか。相撲界ではどうやら、前者の意見のほうが強いようである。中沢氏は言う。

「相撲界の常識は、世間の非常識。そうした見方もなくはない。しかし、相撲界も世間の一部です。そのことを忘れるべきではないと思いますね」

 時津風部屋は第35代横綱の双葉山が現役引退後に興した部屋。双葉山は年寄・時津風を襲名するとともに、時津風部屋に双葉山相撲道場と命名している。

 その相撲の神様、双葉山が存命なら、この時津風部屋の現状をどう思ったことだろうか。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
JR東日本に続いて西と四国も!「列車内映像」使用NG拡大で「バスVS鉄道旅」番組はもう作れなくなる
2
【ボクシング】井上尚弥「3階級4団体統一は可能なのか」に畑山隆則の見解は「ヤバイんじゃないか」
3
これはアキレ返る!「水ダウ」手抜き企画は放送事故級の目に余るヒドさだった
4
舟木一夫「2年待ってくれと息子と約束した」/テリー伊藤対談(3)
5
また出た!広島カープに「ベテラン選手の不倫デート発覚」下半身コンプライアンス崩壊