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「禁煙したところ、食欲が増してしまいました。夜になると食べたくなるのですが、酒でごまかそうかと思っています」
先日、ある患者さんからこんな相談を受けました。禁煙の副作用、と言えるかもしれませんが、ここで質問です。
禁煙中に食欲が旺盛になった場合、酒で紛らわすべきか、太るのを覚悟で食べるべきか、どちらでしょう。
答えは食事を優先することです。なぜなら酒を飲むとタバコが吸いたくなるからです。タバコは酒とコーヒーとの相性がものすごくいいため、喫煙欲を高めます。紅茶や日本茶を飲んでも吸いたくならないのに、酒やコーヒーだと吸いたくなるのがタバコであり、1杯目は我慢できても2杯3杯と飲むうちに理性のタガが外れます。禁煙を成功させたいなら、理性を飛ばすお酒はNG。一緒に飲んだ人がタバコを吸えば、一緒にどうしても吸いたくなるでしょう。そう考えると、酒を飲んでもタバコが吸えないお寿司屋さんなどは、禁煙中の食事場所としてはベターな選択となります。
もちろん食欲に応じて食べれば太りますが、禁煙のような「我慢行為」の場合、何か一つご褒美が必要です。そう考えると、禁煙のイライラを食事でごまかすのは正当な手段です。
禁煙で太るのは、禁煙により舌が敏感になっておいしく感じるためです。1日40本も吸っているヘビースモーカーの場合、胃腸も悪くなり食欲も落ちます。禁煙すると胃腸の調子もよくなるので食べる量が増えるのは当然の結果です。
太るのを気にしすぎると禁煙できませんので、最初のうちは「太ってもかまわない」と覚悟して、食べたいうちは食べましょう。そのうち太った分をダイエットすればいいのです。
口が寂しくなるので、禁煙を成功させるには、口をごまかす食べ物も必要です。ガムや塩昆布、大きな飴など、いつまでも口の中にあるものがベター。フリスクをかまずに我慢するのもいいでしょう。
タバコが我慢できないイコール「ニコチン中毒」です。ニコチンが欲しくてしかたがない、という中毒症状ですので、中毒治療が手っとり早い治療法となります。保険のルール上、禁煙治療では3カ月しか治療ができませんが、この3カ月の間に、イライラする症状を抑える治療法を試してみるのも手です。
それは「チャンピックス」という飲み薬です。タバコを吸うと、脳内のニコチン受容体にニコチンが結合、快感を生じさせるドーパミンが出ますが、チャンピックスを服用して受容体に結合させると、ニコチンよりも少量のドーパミンが放出され、結果的にヤニ切れ症状を軽くさせます。
つまり、ニコチンを先に体に入れることで、一服した時のおいしい感覚が1日続くため、タバコを吸ってもおいしいと感じなくなるのです。酒に例えれば「飲み過ぎてもう飲めない」という状況を作り出してくれるわけです。「タバコはおいしくない。私が欲しかったのはニコチンだ。ニコチン中毒だからニコチンが欲しくなくなればタバコなどやめられる」という理論を学習するわけです。
禁煙成功後も、「1本だけ吸ってみるか」となることがあります。この1本が気がつけば10本となりますので、禁煙に成功したあともチャンピックスをいくつか持っておき、酒席の前に飲んでおくと、吸いたいという欲求を抑えられます。
健康が維持できる、ランニングしても息が切れない、高い店と安い店の味の違いがわかる、肌が荒れなくなったなど、太るデメリット以上に禁煙のメリットは大きいのです。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。
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