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記事全文を読む→天才テリー伊藤対談「権藤博」(1)投手は1イニングでヘトヘトに‥‥
●ゲスト:権藤博(ごんどう・ひろし) 1938年、佐賀県生まれ。社会人野球で活躍後、61年に中日ドラゴンズ入団。1年目よりエースとして活躍。同年はチーム試合数130のうち69試合に登板(先発44試合)。35勝19敗。沢村賞、新人王を受賞。35勝は新人の最多勝日本プロ野球記録。以後2年連続で最多勝投手。連日の登板から「権藤、権藤、雨、権藤」の流行語も生まれた。その一方で過酷な登板から肩を痛め、31歳で現役引退。73年より中日ドラゴンズで投手コーチを務め、74年と82年のリーグ優勝に貢献。その後、88年から近鉄バファローズ投手コーチ、91年から福岡ダイエーホークス投手コーチを経て、97年に横浜ベイスターズのバッテリー・チーフコーチに就任。98年には横浜ベイスターズ監督に昇格、1年目にチームを38年ぶりのリーグ優勝、日本一に導く。監督退任後は野球解説者として活躍するが、2012年、中日ドラゴンズの一軍投手コーチに再就任。日本プロ野球球団の現役監督・コーチでは最高齢となる73歳で、12年ぶりに現場への復帰を果たす。16年から「侍ジャパン」の投手コーチを務め、先日のWBCでも激闘を陰から支えた。
中日ドラゴンズの投手として活躍後、監督・コーチとして日本プロ野球を支え続けた権藤博。今年開催の第4回WBCでは投手コーチとして活躍、侍ジャパン快進撃の一翼を担った。白熱した試合に目が釘づけだった天才テリー、さっそく現場の裏側を根掘り葉掘り聞き出した!
テリー まずはお疲れ様でした。WBCは全試合、観させていただいたんですけど、どれもいい試合でしたね。
権藤 本当ですよね。そう言ってしまうと、まるで傍観者みたいですが(笑)。
テリー とりあえずアメリカまで行かないわけにはいかないから、プレッシャーも大きかったでしょう。
権藤 もうよけいなことは考えられなかったですよ。1試合1試合、必死で取り組んでいましたから。
テリー 大会前の強化試合はあまり調子が上がらなかったですよね? もしかして、あの時はまだチームがまとまってなかったんじゃないですか。
権藤 みんな「代表に選ばれたからには、変なプレーは見せられない」みたいな気負いというか、“繕い”があったんでしょうね。代表でもない台湾のプロ野球選抜にやられた時に、やっと目が覚めた感じです。
テリー 昨年の台湾リーグで4割打った、王柏融選手はすごかったですね。
権藤 ライト線、センターバックスクリーンオーバー、左中間、何を投げても打たれたんですよ。またこれがすごい振りでね、あれが練習の中ではいちばんハッとさせられたですね。
テリー それで本戦に入ったわけですが、実際取り組んでみていかがでしたか。
権藤 初戦のキューバは、資料映像を観るかぎり「まぁ大丈夫だろう」と思ってたんですよ。でも試合が始まったら、まったくバットの振りが違う。今回はどのチームも、バットの振りがすごくいいんです。
テリー 実際に見るのと、事前情報とは、まったく違うんですね。
権藤 ですから、先発ピッチャーを3、4人と中継ぎ、抑えをいっぱい入れて、1イニングずつ投げていきました。あの緊張感と独特の雰囲気で、みんな1イニング投げるとヘトヘトになって帰ってくるんですよ。
テリー へぇ~、そんな感じになっちゃうんですね。
権藤 その代わり30球以内で抑えてくれれば、次の日も投げられますから。
テリー みんな、ふだんは各球団のエース級じゃないですか。ピッチャーの精神状態として、1イニングだけの投球って、うまく頭が切り替えられるんですか?
権藤 何しろ相手が強いですから、切り替えないとしかたないわけです。ですから、試合前から「順番はわからないが、みんな行くつもりでベンチにいろ」とは言っておきましたけどね。
テリー でも、最後の抑えは牧田(和久)に決めていたんですか?
権藤 2月のキャンプで見た時に「これだ!」と。やっぱりアンダースローだと、打者はテンポを合わせにくいんです。上から155キロぐらいの速い球を投げても相手は何とも思わないけど、牧田の下から来る130キロ出るか出ないかの球だと差し込めるんですよ。何しろ、球の出どころがわからないですからね。
テリー なるほど、そういうものなんですね。
権藤 そういう点も含めて、本当に今回のメンバーが誰一人欠けても、あの6連勝はかなわなかったですね。
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