芸能

天才テリー伊藤対談「谷 隼人」(3)健さんとの仲を疑われたことも

テリー 実際、健さんにお会いすると、そのオーラにやられちゃうところがありますよね。

 まず、たたずまいがいいし、タッパもあってカッコいい。それにファッション誌から車の専門誌まで、本や雑誌をいろいろ読んでいるし、海外の映画のことも何でも詳しいんですよ。世間のイメージとは違って、ふだんは饒舌で、よくしゃべる方ですしね。

テリー そうなんですよね、あれには僕も驚きました。

 演技についても一家言ありましてね、「いいか、演技は顔でするんだから細かく手を動かしたり、小芝居するんじゃねえぞ」とか、よくアドバイスを受けました。スタニスラフスキーの演技論みたいなことも、よく話していましたね。

テリー それは、かなりのインテリですね。

 それに初めてジムに連れていってくれたのも、健さんなんです。「メロドラマでも、俳優は体を鍛えなきゃダメだぞ。ふっと女性を抱えて、颯爽と歩いたら絵になるだろう」「向こう(海外)の俳優は、みんな体も鍛えてるんだ」って。

テリー へぇ~。

 ジムに行くと、必ず健さんの背中を流して、そのあと保湿クリームを塗ってさしあげるんです。そこのお客さんは外人さんが多かったから、たまに「ユー、ホモセクシャル?」って言われたりして(笑)。でも、何と言われようが「俺はこの人が好きなんだから、どうでもいい」って思ってましたけどね。

テリー 健さんと一緒だと、なかなか自由には出歩けないでしょう。

 そりゃあ大変でしたよ。どこか喫茶店に入るにしても、その辺りの店にポッと入ったりしないですから。きれいな女の人がやってる喫茶店が好きなんですよ。俺らは常に、そういう店をリサーチしてましたけど。

テリー 健さん、あんまり女性の噂はありませんでしたけど、そういう話を聞くとホッとするな(笑)。撮影が終わると、よく1人でヨーロッパや石垣島に行っていたっていう話も聞きましたけど。

 船やスキューバの免許を取ってから、すごく沖縄が好きになったんです。そういうところに行けば、人の目にも触れないし。

テリー ああ、そういう理由もあったんですか。

 すごく目立つのを嫌っていました。ある時、「明日、ホテルのプールで肌を焼いてきます」って健さんに伝えたら、「お前、映画で金取れねえな」って返されてビックリしましてね。「お前の隣に寝そべってる客が“谷隼人がここで肌を焼いてたよ”なんて言って回ったらどうする。だったら自宅の屋上で日に焼くか、ハワイにでも行って焼いてこい。そういうガマンをして初めて、映画俳優で金を取れるんだから」ということだったんですね。

テリー 厳しいなァ。でも、そういう意味でも、健さんは常に「高倉健」だったですからね。

 はい、みごとに最後まで演じ続けました。大スターの方でプライベートは派手に遊んで、なんて人は何人も知ってますけど、健さんみたいな人は本当にいませんからね。

テリー そうですよね。僕なんかは、その辺りがちょっとかわいそうな感じもするんですけど。もっと好きに生きてほしかった‥‥でも、本人が選んだ道だからしかたないんですけどね。

 俺たちも憧れましたし、あんなふうに生きたいなと思いましたけど、絶対に無理。近くで見てたので、本当にそう思うんです。健さん以外、誰も「高倉健」にはなれないんですよ。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「致死量」井上清華アナの猛烈労働を止めない「局次長」西山喜久恵に怒りの声
2
完熟フレッシュ・池田レイラが日大芸術学部を1年で退学したのは…
3
巨人の捕手「大城卓三と小林誠司」どっちが「偏ったリード」か…大久保博元が断言
4
京都「会館」飲食店でついに値上げが始まったのは「他県から来る日本人のせい」
5
フジテレビ井上清華「早朝地震報道で恥ずかしい連呼」をナゼ誰も注意しない?