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記事全文を読む→鈴木哲夫の政界インサイド「小池百合子”代表辞任”が招いた負のスパイラル」
「代表の座から降りさせていただく」
11月14日、小池百合子東京都知事が突如、希望の党代表を辞任した。玉木雄一郎衆院議員が共同代表に就き、執行部人事発表にタイミングを合わせた格好だ。
確かに、希望の党の新体制が出来上がったという節目での辞任とも言える。だが、小池氏周辺は節目が辞任の理由ではないと話す。
「辞任の引き金になったのは、12日に行われた葛飾区議選挙。小池知事率いる都民ファーストの会の公認候補5人が出馬したが、当選したのはたった1人。都議選の勢いなど、まったく消えてしまった。その肝心の都政にも影響が出てきている。今月初めに日時を決めようとしていた豊洲新市場移転が、江東区や都庁内の調整がつかないなど暗礁に乗り上げた。これは背後に、自民党都連や都庁職員の抵抗がある。支持率が下がってきたことで都政も前へ進まない。このまま希望の党に手を広げたままでは現状打開できないと判断したのだろう」(小池氏周辺)
小池氏は世間の風を捉えることに敏感で、好機を逃さない政治家だ。だが、東京での失速を見るかぎり、辞任の時期を見誤ったと言える。
総選挙で民進党との合流を巡って「リベラル派排除」を言いだし、政策協定という「踏み絵」を踏ませた。そのことで、有権者の反発を買い、希望の党は完敗に等しい結果となった。
早くから党内では小池氏の責任を問う声も上がっていたが、それでも共同代表として、引き続き希望の党に関与する意向を示した。
そもそもマスコミの世論調査でも、小池氏に対しては「都政に専念すべき」という声が圧倒的に多かった。今回希望の党の代表を辞めたことで、その声に沿うはずだが‥‥。
「いまさらですよ。なぜ総選挙の直後に辞めると決めずに、共同代表制にするとしたのか。もっと早く辞めるべきだったと、むしろ批判が来ている」(希望の党議員)
タイミングを逸したことで、小池氏の歯車は完全に狂ってしまった。
葛飾区議選で、小池氏は公認候補の応援に一度も出向かなかった。不人気の小池氏が行けば、マイナスになるというリスクを考えた判断だったようだが、敗れた候補の一人は、
「むしろ応援に来るべきだったと思う。総選挙と区議選は別次元。支援者からは小池さんは逃げていると批判された」
と歯ぎしりしている。一度、歯車が狂いだせば、全てが裏目に出る。まさに負のスパイラルに陥ってしまったかのようだ。
そのせいか、仇敵であるはずの自民党からは同情的な声が漏れている。
「様子見、避ける、どの判断も小池氏らしくない。窮地に追い込まれたら、自分で決めた姿勢を貫いたほうが、たとえ一時的に批判が上がっても、次の展開が開けるというのが政界の常なのに‥‥」
しかし、小池氏は国政への夢を諦めたわけではなさそうだ。
「玉木氏は『特別顧問』などの立場に就いてほしいと言っていますし、党の幹部職員として、小池氏は側近を送り込んでいますから、影響力は確実に残ります。さらに、小池氏は橋下徹元共同代表と連携しながら、党勢が弱まっている日本維新の会との合流を模索しているという話も聞こえてきています。そうなると、保守の色合いが濃くなり、一部が分裂することも‥‥」(前出・希望の党議員)
事態の収束ではなく、希望の党の行く末を混沌とさせることになれば、代表辞任という小池氏の判断自体が裏目に出たことになる。
ジャーナリスト・鈴木哲夫(すずき・てつお):58年、福岡県生まれ。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリーに。新著「戦争を知っている最後の政治家中曽根康弘の言葉」(ブックマン社)が絶賛発売中。
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