スポーツ
Posted on 2022年06月11日 17:54

53歳の武豊「肉体の秘密」を専属トレーナーが激白!(1)「毎日杯」の落馬で体への意識が変化

2022年06月11日 17:54

 競馬界の至宝・武豊豊騎手が「日本ダービー」でまた新たな金字塔を打ち立てた。自身の記録を塗り替える6度目の制覇は史上最多、50代でのVは史上初で最年長記録も更新した。いまだ第一線で活躍する天才騎手の「肉体」について、専属トレーナーが激白する。

「ユタカ! ユタカ!」

 5月29日、東京競馬場に詰めかけた6万2364人の観客から大きな拍手とともに「ユタカコール」が沸き起こった。

 この日行われた「第89回日本ダービー」で武豊騎手(53)が騎乗したのは、単勝3番人気に支持されたドウデュースだ。スポーツ紙記者がレースを振り返る。

「7枠13番からのスタートで道中は後方の13、14番手。4コーナーを回って直線に向くと、抜群の手応えで前の馬を次々とかわし、残り200メートルを切ったあたりで先頭に立つと、イクイノックスの追撃をクビ差しのいでゴール板を駆け抜けた。ユタカさんは馬上で何度もガッツポーズを見せ、喜びを表していましたね」

 武豊騎手がダービーを制したのは13年のキズナ以来6度目。50代のダービージョッキーは史上初で、「53歳2カ月15日」での制覇は86年(ダイナガリバー)に増沢末夫元騎手が記録した「48歳7カ月6日」を36年ぶりに塗り替える、史上最年長優勝記録となった。

 リーディング上位に20代から30代の騎手が並ぶ中、なぜ、50代の武豊騎手は第一線で活躍できるのか。「テイクフィジカルコンディショニングジム」(京都市・右京区)の代表で、武豊騎手の専属トレーナーを務める長谷川聡氏が「肉体の秘密」について明かす。

「ユタカさんは『自分の体は硬い』と言いますが、一般的な50代男性と比較しても十分柔軟で体幹も強い。特に股関節の柔らかさには驚かされます。股関節の柔軟性によって、衝撃を股関節で吸収でき、上半身がブレない。馬にかかる負荷も少なくなる。ユタカさんが特別優れているのは、そうした柔らかさなんです」

 そもそも長谷川氏と武豊騎手が出会ったのは、10年3月27日に阪神競馬場で行われた「毎日杯」での落馬事故がきっかけだった。京都大学医学部付属病院に搬送され、左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折、右前腕裂創で全治6カ月の診断。その時にリハビリを担当したのが、理学療法士の長谷川氏である。

「事故後は左肩にプレートを入れていましたから、2~3カ月は腕を上げることもできず、腰痛もひどくなっていきましたね」(長谷川氏、以下同)

 だが、リハビリの効果があり、わずか4カ月(127日)で戦列復帰。この時の落馬事故がキッカケでトレーニングへの意識が変わったという武豊騎手はその後、長谷川氏と二人三脚で体のケアに努め、13年にキズナで5度目のダービーを制覇。18年には前人未到のJRA通算4000勝を達成した。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月22日 20:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月17日 20:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月24日 20:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク