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記事全文を読む→競馬エージェント(1)馬主から口利き料を…
「エージェント」とは、スポーツの世界でよく聞かれる、いわゆる「代理人」。選手に代わって待遇や移籍などを交渉する職業である。実はこのエージェントが競馬界にも存在することは、一般にはあまり知られていない。そしてその活動は、野球やサッカーのそれとは大きく異なっているのだ。
トラックマンが適任な理由
競馬界におけるエージェントとはすなわち、「騎乗依頼仲介者」。馬主や調教師と騎手の間に入り、騎乗馬を騎手に斡旋する人物を指す。今や「リーディングジョッキーを決めるのはエージェントの腹づもりひとつ」とまで言われるほど、エージェントの存在が幅を利かせているのだ。
その概要について、さるベテランのエージェントが匿名を条件に説明する。
「エージェントのほとんどは、競馬専門紙のトラックマンが兼業するか、あるいは元トラックマン。理由はそれが最適だからです。トラックマンの朝の仕事の一つとして、例えば水曜朝のトレセンでは、担当厩舎の調教師にまず、『今週(のレースで)、何(どの馬)を使うのか』を質問します。そこで乗り役がまだ決まっていない場合、調教師から『誰が空いているか調べてくれよ』と頼まれることがよくある。同時に、別の役割も担います。例えば3歳未勝利戦のダート1200メートルだったら、福島と中山で開催されていた場合、どちらのメンバーが弱いのか。あるいは使う馬が逃げ馬なら、同型の逃げ馬が何頭いるのかなどを探り、報告を頼まれるのです」
美浦トレセンの場合、南馬場、北馬場に各社6、7人が受け持ちの厩舎ごとに散らばっている。そのトラックマンとしての仕事の延長がエージェントなのである。彼らは日々の業務で、必然的に調教師とのパイプ、関係が密になる。
だから適任なのだ、と。エージェントが続ける。
「関西ではほとんどが『競馬ブック』『競馬ニホン』など関西系専門紙のトラックマンが担っている。そうしてシステムは確立し、ほとんどの騎手はエージェントを抱えています」
この制度が確立したのは06年のことだが、いち早く導入していたのは岡部幸雄氏(現JRAアドバイザー)だった。トレセン関係者が語る。
「岡部さんがJRA非公認ながらエージェント制を導入したのは、84年にフリーになった頃。当時、専門紙『競馬研究』の名物トラックマン・松沢昭夫と契約を結び、自分に代わって騎乗依頼を任せました。早くから海外に出た岡部さんは、海外ではすでに確立しているエージェント制度を生かして優秀な成績をあげている騎手を多々見てきたからです」
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