スポーツ
Posted on 2019年03月08日 05:56

藤田菜七子を覚醒させた武豊の「戦訓」(1)キッキングに継続騎乗が決定

2019年03月08日 05:56

 競馬界のアイドルジョッキー・藤田菜七子が、また一つ競馬史に名前を刻んだ。史上初めてJRA所属の女性騎手としてGIレースに騎乗し、結果は5着も、東京競馬場は大歓声に包まれた。同時に僚馬コパノキッキングとの海外GI初挑戦プランが浮上。レジェンド武豊の「シンプルな生きざま」に大きく触発されながら、夢の舞台へと駆け上がる。

 2月17日、GI「フェブラリーS」が行われた東京競馬場は、まさに「菜七子デー」だった。

 スポーツ紙記者が興奮気味に語る。

「前日の夕方には、前年の倍近い415人が並びました。一番乗りは8日前(2月9日)の5時30分頃。雪も舞った時期でしたからビックリです。8時40分の開門時には3600人以上が列を作り、レースの売り上げも13年ぶりに150億円を超えました」

 藤田菜七子(21)自身、GIのファンファーレを聞いた時、

「泣きそうになりました」

 と振り返ったほど、特別な1日だった。

「コパノキッキングの小林祥晃オーナー(71)も村山明調教師(47)も『いい騎乗をしてくれた』と菜七子をねぎらい、次走は4月10日、大井競馬場のGIII『東京スプリント』に継続騎乗で挑むことが決定しました」(スポーツ紙記者)

 大井競馬場はナイター開催だけに、注目度も観客動員数も前年を上回ることは確実視されている。

「問題は秋ですね。仮にGI『JBCスプリント』となれば、今年は浦和競馬場での開催。1400メートルの短距離戦といえども、4つのコーナーを回るため、直線の切れ味勝負が武器のキッキングには微妙です。なので、米国で開催されるGI『ブリーダーズカップ・スプリント』が有力視されているのです」(スポーツ紙記者)

 菜七子の海外初遠征は、16年8月の英国サンダウンパーク競馬場で行われた「レディースワールドチャンピオンシップ」の第13戦だった。スポーツ紙デスクが振り返る。

「あの時は、騎乗馬がパドックで暴れ、馬の下敷きになった。幸いにもケガはなかったけど競走除外になり、悔し涙を見せていた」

 待望の世界デビューは、UAEのアブダビ競馬場。16年11月の「レディースワールドCS」の第15戦ファイナルで、15頭中7着と悔しい結果に終わっている。

 そして翌年の17年1月には、マカオのタイパ競馬場で行われた「国際男女ミックスダブル騎手招待競走」に日本代表として武豊(49)とともに参戦。香港を拠点にしているフランス人のオリビエ・ドゥルーズ騎手とペアを組むなど、計6レースに騎乗するも、勝利することはなかった。

 17年6月にもスウェーデンのストックホルムにあるヤーデット競馬場で「レディースワールドCS」第8戦に出場するが、7頭立てで3着に終わった。

 海外初勝利の壁は厚いが、主催者推薦による出場だけではなく、海外での「武者修行」も視野に入れている。

 競馬専門雑誌「Gallop」の臨時増刊「丸ごと一冊藤田菜七子VOL.2」で福永祐一(42)と対談。その中で〈以前から(武)豊さんや蛯名(正義)さんにも『(海外に)行ったほうがいい』と助言していただいています〉と明かしている。スポーツ紙デスクが続ける。

「騎手会(日本騎手クラブ)の武会長や蛯名正義副会長(49)、福永副会長らの総意は『人も馬も積極的に海外に行くべき』で、『騎手の拠点作りができないか』という議題をJRAに上げています」

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク