スポーツ

藤田菜七子を覚醒させた武豊の「戦訓」(1)キッキングに継続騎乗が決定

 競馬界のアイドルジョッキー・藤田菜七子が、また一つ競馬史に名前を刻んだ。史上初めてJRA所属の女性騎手としてGIレースに騎乗し、結果は5着も、東京競馬場は大歓声に包まれた。同時に僚馬コパノキッキングとの海外GI初挑戦プランが浮上。レジェンド武豊の「シンプルな生きざま」に大きく触発されながら、夢の舞台へと駆け上がる。

 2月17日、GI「フェブラリーS」が行われた東京競馬場は、まさに「菜七子デー」だった。

 スポーツ紙記者が興奮気味に語る。

「前日の夕方には、前年の倍近い415人が並びました。一番乗りは8日前(2月9日)の5時30分頃。雪も舞った時期でしたからビックリです。8時40分の開門時には3600人以上が列を作り、レースの売り上げも13年ぶりに150億円を超えました」

 藤田菜七子(21)自身、GIのファンファーレを聞いた時、

「泣きそうになりました」

 と振り返ったほど、特別な1日だった。

「コパノキッキングの小林祥晃オーナー(71)も村山明調教師(47)も『いい騎乗をしてくれた』と菜七子をねぎらい、次走は4月10日、大井競馬場のGIII『東京スプリント』に継続騎乗で挑むことが決定しました」(スポーツ紙記者)

 大井競馬場はナイター開催だけに、注目度も観客動員数も前年を上回ることは確実視されている。

「問題は秋ですね。仮にGI『JBCスプリント』となれば、今年は浦和競馬場での開催。1400メートルの短距離戦といえども、4つのコーナーを回るため、直線の切れ味勝負が武器のキッキングには微妙です。なので、米国で開催されるGI『ブリーダーズカップ・スプリント』が有力視されているのです」(スポーツ紙記者)

 菜七子の海外初遠征は、16年8月の英国サンダウンパーク競馬場で行われた「レディースワールドチャンピオンシップ」の第13戦だった。スポーツ紙デスクが振り返る。

「あの時は、騎乗馬がパドックで暴れ、馬の下敷きになった。幸いにもケガはなかったけど競走除外になり、悔し涙を見せていた」

 待望の世界デビューは、UAEのアブダビ競馬場。16年11月の「レディースワールドCS」の第15戦ファイナルで、15頭中7着と悔しい結果に終わっている。

 そして翌年の17年1月には、マカオのタイパ競馬場で行われた「国際男女ミックスダブル騎手招待競走」に日本代表として武豊(49)とともに参戦。香港を拠点にしているフランス人のオリビエ・ドゥルーズ騎手とペアを組むなど、計6レースに騎乗するも、勝利することはなかった。

 17年6月にもスウェーデンのストックホルムにあるヤーデット競馬場で「レディースワールドCS」第8戦に出場するが、7頭立てで3着に終わった。

 海外初勝利の壁は厚いが、主催者推薦による出場だけではなく、海外での「武者修行」も視野に入れている。

 競馬専門雑誌「Gallop」の臨時増刊「丸ごと一冊藤田菜七子VOL.2」で福永祐一(42)と対談。その中で〈以前から(武)豊さんや蛯名(正義)さんにも『(海外に)行ったほうがいい』と助言していただいています〉と明かしている。スポーツ紙デスクが続ける。

「騎手会(日本騎手クラブ)の武会長や蛯名正義副会長(49)、福永副会長らの総意は『人も馬も積極的に海外に行くべき』で、『騎手の拠点作りができないか』という議題をJRAに上げています」

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