エンタメ
Posted on 2013年05月28日 09:54

藤岡弘、の「珈琲道」(2)エチオピアの酋長がお辞儀

2013年05月28日 09:54

 珈琲を初めて飲んだのは中学生ぐらいかな。映画三昧の日々で、映画を見るためにアルバイトしてましたね。

 そして映画に出てくる俳優が飲んでいる珈琲に憧れた。だから、マネして喫茶店に行きましたね。一口目はブラックで飲みましたよ。正直、ピンとこなくてね(笑)。残りは苦いから砂糖を入れて飲みました。

 当時は、若すぎて味を楽しむ余裕はなかった。でも、香りのすばらしさだけはわかったなぁ。映画の主人公になった気分は味わえましたよ。50年以上前だから、珈琲は高級品でね。バイトで稼いだお金で珈琲を飲むなんてことは、自分にとっては勇気のいることでした。

「仮面ライダー」や「特捜最前線」に出演していた頃もまだ、徹夜とかハードな仕事が多くて「眠気覚まし」という認識しかなく、珈琲の深さにまでは到達していなかった。

 実は、私が珈琲にこだわるようになった一番のきっかけは、「藤岡弘、探検隊」のエチオピアロケ(04年1月2日放送)でした。

 部族の酋長にスタッフ全員、竹でできた応接室に招かれたんです。

 部族の集落の周りには珈琲の木がいっぱい植えてありました。そこから、豆を摘んで酋長の娘が水で洗い、目の前で火を使って炒り始めたんですよ。

 日本から来た我々への最大のもてなしだったんですね。日本でいう茶室みたいなものでしょう。

 プァ~ッと、珈琲のいい香りが部屋中に広がりましてね。炒り終わると、その炒りたての熱々の、湯気が立ってる珈琲豆を小さい皿に移して、酋長がこう言うんです。

「これを食べてみろ」

「えっ、珈琲豆を食べるのか?」

 驚きましたが、勧められるまま、口の中に放り込みました。

 表面はパリパリ。かむと「カシュ~ッ」という音と同時に珈琲の香りが一瞬のうちに口の中、全体に行き届きました。

「口の中で味わう香り」という感じでおいしかった。感動ですよ。

 その炒りたての豆を、ウサギが月で餅をつく杵と臼のような形をした道具で砕くんです。

 その間、珈琲に集中せざるをえない状況、みんな陶酔状態ですよ。この間はお茶と同じ。日本文化に似てるなと思いましたね。

 そういえば、この酋長、会うなり、お辞儀をしてきたんですね。私は世界中回っていますが、日本と同じ頭を下げる挨拶をしたのはエチオピアの酋長だけです。

 肝心の珈琲ですが、実に野性的な淹れ方で一切、こさない。原液をそのまんま、煮出した豆ごと器に注ぐんです。

 当然、口の中には、ザラザラした豆の粒やオリなども一緒に入ってくる。でも、それがいいんですよ。味はものすごく濃厚。大地の自然そのものをいただいてるという感じでね。

 古来からの伝統的な珈琲の淹れ方を体感できたのは、本当に貴重な体験でしたね。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年10月30日 11:30

    今年も園遊会に招かれなかった。いつかお声がかかる日が来るかもしれないと、ブックオフで値下げされていた「皇室入門」という新書まで購入し、熟読しているのに、いまだお呼びがかからない(笑)。ちなみに園遊会とは天皇・皇后両陛下が各界の功労者らを招き...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    スポーツ
    2026年11月02日 11:45

    10月30日に秋季キャンプを始動させた巨人の映像が流れ、高橋由伸ヘッドコーチと清水隆行打撃チーフコーチの就任が紹介された直後だった。11月1日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)で駒田健吾アナウンサーが「上原さんは、ピッチングコーチは?...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年11月02日 15:30

    脳梗塞で療養中だった伊達みきお(サンドウィッチマン)が、10月31日の「サンドウィッチマンザ・ラジオショーサタデー」(ニッポン放送)で、2カ月ぶりに復帰した。「さあ、時刻はお昼の1時を回りました。こんにちは。サンドウィッチマンの伊達みきおで...

    記事全文を読む→
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/10/27発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク