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記事全文を読む→天才テリー伊藤対談「藤村忠寿」(3)地方番組の定型を疑っていかないと
テリー 藤村さんから見て、東京のテレビ番組ってどういう印象ですか。
藤村 それはもう、憧れですよ。でも、僕はみんなが東京で作っているような番組をそのまま追いかけて作ろうとは思わなくて。それとはちょっと違ったもので勝負したいんです。
テリー じゃあ今後、東京に進出するわけではなく、北海道の軸足は外さない?
藤村 そうですね、真ん中で正々堂々と殴り合うよりも、後ろからコソッと近づいて、横から殴るほうが性に合っているんだと思います(笑)。
テリー 「水曜どうでしょう」は、まさにそういうアンチの姿勢から出てきたわけですものね。
藤村 でも、やっぱり地方局はキー局に追随してしまうところがすごくあって、みんな「東京の模倣」に熱心なんですよ。それに「ローカル番組に甘んじる」ことを恥じないところがあるところも気になっていて。
テリー というと?
藤村 地方局が作る番組って、どれも同じに見えるんですよ。例えばウイークデーの夕方の情報番組って、構成からセットの作りからMCの感じまで、すごく似ているんです。あれって要するに、ローカル番組の夕方の情報番組の「定型」があって、それに沿って作っているからだと思うんですよ。僕なんか、もうちょっと違うやり方があるんじゃないかと思うんですが。
テリー 例えば、どういうことですか。
藤村 これからは、あまり「地方の番組だから、こうあるべき」みたいな意識を持たなくていいと思うんですよ。今はネット環境が整っていますから、配信なんかで全国で見てもらえるわけじゃないですか。そういう状況だったら、単純におもしろい番組を作ることに特化すればいいのに、肝心の現場は、それをあんまり真摯にやってないような気がしますね。
テリー なるほどね。
藤村 そもそも、札幌に住んでいる人って、東京に住んでいる人とおもしろがる感覚なんかが違うと思うんですよ。札幌のほうが生活のペースものんびりしていますし。だから、そういう特色を大事にしていくべきなんですよ。
テリー うん、そのとおりだね。
藤村 そもそも「水曜どうでしょう」は、東京で成立しない番組だったと思うんですね。4人だけであっちこっちに行って、しかも自分たちで編集して、みたいな形で番組を作ること自体が許されないでしょうし。また、ヒットしたらしたで、「じゃあ、今度からゴールデンでやるから、もうちょっとスタッフ増やそう」「1年に1回、必ず放送だ」「お前はプロデューサーになって、現場や編集は別のヤツに任せろ」みたいな感じになっていたと思いますから。
テリー 普通、メインの出演者が無名の大学生なんて、東京じゃあ企画が通らないよね。確かに大泉さんはセンスが抜群だけど。
藤村 そうなんですよ。でも「水曜──」がこれだけ全国で知られる番組になったのは、大泉の力はもちろんですけど、誰が出てもおもしろい番組にすることを考えたからなんです。ディレクターの仕事って、結局そこに尽きると思うんですよ。
テリー そういう座組を生み出しただけでなく、4人でここまで番組を継続したことも偉いですよ。今や「水曜──」は藤村さんの命そのものみたいな番組なんじゃないですか。
藤村 そうですね。あの番組は、まぁ誰かが死ぬまで‥‥いや、誰か1人でも生きている間は続いていくんだろうな、っていう気はしますね。
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