政治
Posted on 2020年07月16日 09:55

歴代総理の胆力「安倍晋三(第1次)」(2)修羅場経験なしのツケ

2020年07月16日 09:55

 こうした安倍の第1次政権“四面楚歌”の原因は、不可抗力でやむを得ぬ部分はあったにせよ、若さと経験不足から来た未熟さがさせた部分も多かった。

 当選わずか5回で党のナンバー2の幹事長に就任、その後、官房長官になり、そのまま総理大臣になってしまった。この間、実務経験もほとんどなかった。周囲の嫉妬は別にしても、一言で言えば苦労が足りなかったゆえに、根回し不足など重なり、求心力を持てなかったと言うことである。

 幹事長と政調会長の呼吸が合わなかったのも、人事に際してそのあたりを見抜く目がなっておらず、両者への情報もまた、入って来ていなかったことにほかならない。

 また、修羅場をまったく踏んでいなかったことで、時に反発する議員の心のうつろいを読み切れなかった。すなわち、どうすれば人が動き、付いてきてくれるかの人心収攬の術(すべ)を持ち得ていなかったということのようであった。

 トップが実務経験すなわち「プレーイング・マネジャー」としての経験の乏しい政権は、歴代おおむね「短命」で終わっている。安倍の第1次政権も、そうした中で「プリンス」から「キング」に定着できず、終わってしまったということである。

■安倍晋三の略歴

昭和29(1954)年9月21日、東京都渋谷区生まれ(本籍地は山口県)。成蹊大学法学部卒業後、米南カリフォルニア大学留学。神戸製鋼所入社後、父親の安倍晋太郎外相の秘書官。平成5(1993)年7月、衆議院議員初当選。平成18(2006)年9月、第一次内閣組織。総理就任時52歳

総理大臣歴:第90代 2006年9月26日~2007年9月26日

小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月17日 07:15

    20世紀最大級のミステリーと言われてきた、イギリス・スコットランドのネス湖に生息するという未確認動物(UMA)の「ネッシー」に、再び熱い視線が注がれている。いったいなぜか。一時期は目撃情報が激減し、専門家からは死亡説や、人間の活動を警戒して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク