スポーツ

楽天田中将大と嶋基宏「黄金コンビ」苦闘7年物語(3)メジャー行きという夢に向かって

20131024i

 田中自身、今シーズンに賭けたもう一つの大きな理由があった。それは昨年のオフの契約更改時に遡る。その席上で、「今年、チームのために頑張ってくれるならキミの夢の実現のために我々も協力を惜しまない」と約束されたのだ。

 これで田中のモチベーションは上がった。結果を残せば、ポスティングによるメジャー行きも十分にあると思ったのだ。田中にとっての夢がメジャー行きであることを知らない楽天の球団関係者はいない。それほど、田中はチームに期待を込めたのだ。

 田中の目の色が変わった。まずは体調管理をより徹底するようになった。田中には、高校時代に痛恨の思いがあったからだ。

 夏の甲子園の名勝負としても記憶に新しい対早稲田実業との決勝戦。3連覇がかかった大一番の先発に田中の名前はなかった。甲子園に来る直前、田中はウイルス性胃腸炎にかかり、体調は万全でなかった。気迫の投球で決勝にまで進んだものの、決勝戦も再試合も田中は先発していない。

「少しでも休ませたい」という香田誉士夫監督(当時)の思いがあったからだ。

 その結果、延長15回を戦い抜いて再戦となった試合は、田中がマウンドに立つ前に失点し、それがそのまま決勝点となり1対0で敗れた苦い経験がある。その時、田中はナインを前にして「すまん」と自分の体調が万全でなかったことについて素直に謝った。それが田中の意識を大きく変えた。

「将大はオレと違って、大酒を飲んで騒ぐタイプではない。常に体調面を第一に考えている点ではプロらしい考えを持っている。ただ一度だけだね、札幌で打たれた時かな、『僕だって飲みたい時があるんです』と言ってウオッカを飲んでいた」

 投手コーチの佐藤が唯一見た田中の酔った姿だった。

◆スポーツライター 永谷 脩

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「京都崩壊」の信じがたい現実…外国人観光客専用都市に激変した「不気味な風景」
2
商品価値が落ちたヤクルト・村上宗隆「メジャー計画変更」で大谷翔平と同じ道を
3
土壌ラドン濃度・衛星観測・上空発光…火山噴火と大地震「前兆キャッチ」の新技術がスゴイ!
4
山尾志桜里の「公認取り消し」騒動を起こした玉木雄一郎は「榛葉幹事長人気に焦った」って!?
5
フジテレビ・山本賢太アナが行方不明に!? 「代役」登場と「謎のテロップ」