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記事全文を読む→岩崎宏美「聖母たちのララバイ」が人生を変えた
テリー 今までたくさんのヒット曲があった中で、歌手としての人生を変えた曲となると、やっぱり「聖母たちのララバイ」になるの。
岩崎 そうですね。歌番組をご覧にならない方に岩崎宏美という歌い手を知っていただけたのは、やはり「火曜サスペンス劇場」のおかげだったので。それにすごくテーマが大きくて。当時、私23歳だったんですよ。
テリー そんなに若かったんだ。よく歌えたね。
岩崎 ねぇ。歌詞に「戦士」とか「戦場」とか出てきて、最初にいただいた時は「サスペンスだからかな」ぐらいにしか思ってなかったんですよ。でも、あれから40年近く経って、震災の時や日本が何か大きなダメージを受けてる中で歌うたびに、「少しでも皆さんを救える歌になってるかな」っていうことは感じながら歌っています。自分自身がくたびれてる時でも、あの歌を歌う時は、なんか違う人が出てきて、私を奮い立たせてくれるような気がしますね。
テリー 聴くほうもそうだけど、歌詞って聴く年齢で捉え方が変わるもんね。
岩崎 変わりますね。変わらないのは、歌う時のキーぐらいで。いまだに「ロマンス」も16歳の時の譜面を使って、当時のキーで歌ってるんですよ。
テリー すごいなぁ。
岩崎 ありえないですよ。16の時につくったワンピースを着てるみたいなものですから。
テリー 今、62でしょう。
岩崎 はい。
テリー 30代、40代、50代と歌い続けてきて、歌に対する意識みたいなものも変わってきたの?
岩崎 今はね、おもしろいですよ。
テリー あ、いいね。
岩崎 アハハハハハ。
テリー いいよ。おもしろいっていうのは、人生でいちばんいい言葉だから。何がおもしろいの?
岩崎 何だろう。自粛期間中に自分の歌をずっと聴いてたんですよ。そしたら、「私ってこんな歌も歌ってたんだ」とか「こんなに色っぽい歌なのに、こんなにこざっぱり歌ってるんだ」とか、いろんなことを発見できたんです。色っぽい歌詞なのに色っぽく歌わないような、合唱団出身の歌い手のまま、全然ブレてないんですよ。よく私、ブレずにここまで来たなって。
テリー ポジティブな発見だったんだね。
岩崎 でも、ポリープの手術をしたり、一時期は自分の声や音程ばっかりが気になって、それに引っ張られてた時期があるんですよ。だけど、昔の曲を聴いてるうちに、自分の歌い方の忘れていた部分とか、「やっぱり歌に大切なのは『思い』だろう」っていうのを再発見したりもして。この間、広島の呉でようやくコンサートの初日が開けたんですけど、その時に「あ、おもしろくなってきた」って、すごい感じたんですよね。
テリー そうすると具体的に歌い方も変わるの?
岩崎 今まで規律よく歌ってた歌も、これからは歌に自分を委ねて歌いたいかなっていう。
テリー へぇ、いいね。より自然体になっていく感じなのかな。それって先輩の歌い手で、その域に達してる人って誰?
岩崎 もう引退されちゃったんですけれど、シャンソン歌手の金子由香利さんとか。去年の暮れ、金子さんの「再会」という曲を歌ったんですね。それ、20代の時も一度歌って、40年ぶりぐらいだったんですけれど。金子さんって、自分の声と語りと思いで歌える方なんです。いつか金子さんのナンバーを歌ったアルバムを出したいなって、今思ってますね。
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