社会
Posted on 2021年06月28日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<AGE(終末糖化産物)>早食い大食い絶対NG。体内に「焦げ」ができる

2021年06月28日 05:55

「いつまでも若々しくいたい」「老けたくない」──老化防止は人類の永遠のテーマだが、そのポイントとして注目されているのが、老化物質「AGE(終末糖化産物)」だ。

 これは、タンパク質の糖化反応によって作られる生成物。簡単に言えば、加齢とは体にできる「焦げ」のようなもので、いったん体内でできてしまうと、元には戻らない。体内で作られるものと、食品など体外から取り込まれる2種類がある。食品中に含まれるAGEのうち7%が体内に取り込まれている。

「AGE」は体内のあらゆる臓器で作られ、長い年月をかけて蓄積される。加齢と言われる現象のうち、肌のしわやシミ、動脈硬化、ガン、アルツハイマー病などの原因になるとも言われている。

 抑制のポイントは食事だ。血糖値を急激に上昇させると体の中で「AGE」が形成されやすくなるため、早食いや大食いは厳禁。食べる順番も大切だ。最初に野菜、最後にご飯などの糖質を摂り、夜8時以降の食事も控えたほうがいいだろう。

 焼く、揚げる、炒めるなど、強火で加熱した調理法は「AGE」が含まれやすい。そのため、「ゆでる」「蒸す」のがおすすめ。これは、糖とタンパク質の間に水が入り込み、糖化反応が起こりにくくなるためだ。

 食材は、ほうれんそう、トマト、インゲン、ブロッコリーなどの緑黄色野菜のほか、ブルーベリーなどのベリー類。ヒジキやワカメなどの海藻類、まいたけなどのきのこ類がおすすめ。納豆などのネバネバ食品も食物繊維が豊富なので有効だ。

 自分の「AGE」を知るには「AGEリーダー」が便利である。これは、利き手をのせると約15秒で、体内に蓄積された量を測定できる機械。インターネットで「AGEリーダー導入施設」とキーワードを入れれば、近くで導入されている施設が検索できるので、探してみるといい。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク