社会
Posted on 2021年09月28日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<食中毒>高温&無酸素でも生存。原因菌を消すコツは…

2021年09月28日 05:55

 食中毒は、気温の高い夏の時期に多いと思われがちだが、秋がより注意を要する。というのは、細菌性「カンピロバクター食中毒」が多発するからだ。

 細菌による食中毒は、少量の菌で発症する。中でも、鶏刺しなどの生食や、加熱が不十分なものを食べて、下痢や腹痛を起こす場合が多い。過去の厚生労働科学研究の結果によると、市販の鶏肉から「カンピロバクター」が高い割合で検出されているそうだ。決して「新鮮な鶏肉だから生で食べても安全」ではないのである。

 他にこの時期に多いのは「ウェルシュ菌」。これは、人や動物の大腸内常在菌で自然界に幅広く生息する細菌で「酸素がなくても増殖する「嫌気性菌」のため、高温でもなかなか死滅しない。

 特にカレーやシチューを作る際は注意が必要だ。大鍋で大量に調理すると他の菌は死滅するが、鍋底が酸素の少ない状態になり、「ウェルシュ菌」が繁殖しやすくなる。感染すると、通常6~18時間で下痢を引き起こす。

 対策としては、食材は中まで十分に加熱することが肝心。また、まな板を介して、菌が他の食材に付着する場合もある。二次感染を防ぐためにも、肉などの食材を使う場合は、一回、洗剤で洗った方がいいだろう。また最近では、コロナ禍で持ち帰りの食品も増えているが、常温で長時間持ち歩くのはやはり危ない。なるべくすぐに食べて、残ったものを後日食べる場合は、レンジなどでしっかり加熱することが必要だ。

 時々、「一度食中毒を発症した食材は食べない方がいい」と思い込んでいる人もいるが、その心配は無用だ。例えば、カキやサバなどにあたった場合は、それは食中毒ではない可能性が高い。むしろ、その食材に対するアレルギー反応の可能性もあるので、病院で検査をした方がいいだろう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月17日 07:15

    20世紀最大級のミステリーと言われてきた、イギリス・スコットランドのネス湖に生息するという未確認動物(UMA)の「ネッシー」に、再び熱い視線が注がれている。いったいなぜか。一時期は目撃情報が激減し、専門家からは死亡説や、人間の活動を警戒して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク