社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<体脂肪>寒い時期に脂肪燃焼。褐色脂肪細胞とは?

 寒くなるこの時期は、活動量も減り太りやすいイメージがあるが、実は秋・冬こそダイエットに最適な季節なのだ。

 その理由は基礎代謝量にある。体温と気温の差が少ない夏には、少ないエネルギー消費量で体温を維持できるので基礎代謝量は低くなる。比べて、秋・冬の寒い時期は、体温を維持しようと体の中で熱を発するため、基礎代謝量が上がる。そのため効率よくダイエットできるという。

 基礎代謝量が増加する理由は、筋肉量も関係している。筋肉がある程度ある人は、蓄えられたエネルギーを効率的に使って熱を放出し、体温を上げて寒さに対処できる。

 一方、運動不足で筋肉量が少ないと、エネルギーを放出しても体温を上げるだけのエネルギーを作り出すことができずに基礎代謝量も低下していく。そのため体脂肪を溜めて体温を保つようになる。

「褐色脂肪細胞」も基礎代謝量に関係しているといわれている。褐色脂肪細胞は脂肪を燃焼させる細胞。暖かい時期は働かずに、寒い時期の体温維持や、中性脂肪を燃やす特徴がある。つまり、寒い時期に「褐色脂肪細胞」の活動が活発だと太りにくくなる。

 では、なぜ一般的に「秋・冬に太る」という人が多いのか。それは、秋・冬には気温が下がってきて、歩いたり運動したりすることが億劫になるのに、美味しい食べ物が多いため、1日の摂取カロリーが通常よりオーバーするからだ。

「毎年秋冬になると太る」「寒い時期には脂肪を溜め込みやすくなる」人は、寒いからといって、じっとしているのではなく、通勤時には階段の利用や最寄り駅の手前1駅分を歩くなど、細めに体を動かすことが重要だ。また、シャワーだけでなく、湯船にしっかりつかること。朝食をきちんと摂ることも秋・冬ダイエットの近道と言えよう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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