スポーツ

「猪木ボンバイエ」レコードB面に元妻・倍賞美津子が提案した「ある工夫」/日本音楽シーン「名作裏面史」

 10月1日に亡くなった新日本プロレス創設者・アントニオ猪木さん。そんな猪木さんの闘魂を受け継ぐべく、11月17日、東京・国立代々木競技場第一体育館で「新日本プロレス50周年記念 シンニチイズム ミュージックフェス」の開催が決定した。

 当日は、新日プロ50年の歴史を彩ってきた名選手の入場テーマを作曲した高中正義や渡辺香津美など、豪華ミュージシャンが生演奏。その演奏をバックに、猪木さんとともに戦ってきた藤波辰爾、長州力、武藤敬司、蝶野正洋などのレジェンドが登場する。音楽とともに、スクリーンに映し出される数々の名場面を堪能できるとあって、日増しにファンのボルテージも増すばかりだ。

 そんな「燃える闘魂・アントニオ猪木」の入場テーマとしてお馴染みなのが、「炎のファイター~INOKI BOM-BA-YE~」だ。実はこの曲、もともとは伝説のプロボクサー、モハメド・アリの伝記映画「アリ・ザ・グレイテスト」(1977年公開)のテーマ曲「アリ・ボンバイエ」で、アリから友情のしるしとして贈られ、同年に「アントニオ猪木とザ・ファイターズ」名義でリリースされたものだ。

「ボンバイエ」とは、コンゴのリンガラ語で「奴をやっちまえ!」を意味する「Boma ye(ボマ・イェ)」が訛ったもの。メロディーは原曲同様、トランペットが中心だが、軽快なパーカッションが熱い魂を感じさせ、絶妙なアクセントになっている。

 そして、レコードのB面にカップリングされているのが、なかにし礼作詞の『いつも一緒に』。歌うのは、当時、猪木さんの妻だった女優・倍賞美津子だ。

 2人は71年に結婚、88年に離婚しているのだが、なんでも、この曲に歌詞をつけることを提案したのが、彼女だったのだとか。聴き返してみると、歌詞のあちこちに、試合前に夫を「マットという戦場」へ送り出す妻の複雑な思いが垣間見え、なかなか興味深い。

 このレコードは、猪木の入場テーマとして有名になったこともあり、世界的に有名なギタリスト、カルロス・サンタナも99年にリリースした「El Farol」で、「炎のファイター」を彷彿させるフレーズで、鳴きのギターを披露している。興味があれば、原曲と聴き比べてみるのも面白いかもしれない。

(山川敦司)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「京都崩壊」の信じがたい現実…外国人観光客専用都市に激変した「不気味な風景」
2
商品価値が落ちたヤクルト・村上宗隆「メジャー計画変更」で大谷翔平と同じ道を
3
土壌ラドン濃度・衛星観測・上空発光…火山噴火と大地震「前兆キャッチ」の新技術がスゴイ!
4
山尾志桜里の「公認取り消し」騒動を起こした玉木雄一郎は「榛葉幹事長人気に焦った」って!?
5
フジテレビ・山本賢太アナが行方不明に!? 「代役」登場と「謎のテロップ」