スポーツ

天才・武豊「ダービー直前」独占インタビュー(4)「皐月賞は全力を出してないから失望はない!」

20140605g

 次走、4月20日の皐月賞で、トーセンスターダムは単勝5.4倍の3番人気に支持された。

「いろいろなことが初体験でしたね。関東への輸送、多頭数の競馬、そして、悪化した馬場」

 速いスタートを切ったスターダムは、好位の5番手につけてレースを進めた。

「馬が前半から、今までにないぐらい力み気味に走っていた。ただ、流れを見てポジションを取ろうと思っていたんですけど、予想以上にすんなりと、いいところが取れましたね。向正面では目の前にトゥザワールドがいて、いい感じだった。これなら勝つんじゃないか、と思いました」

 ところが、3コーナーに入ると、急に手応えが怪しくなった。

「馬場の悪いところに入ったとたん、馬が減速してしまった。あそこでダメだ、と思いました。今年の中山の3、4コーナーは、芝がほとんどないような馬場状態なんです」

 直線、馬群の中で伸びを欠き、11着に敗れた。

「3、4コーナーの走りからすると、いちばん後ろまで下がりそうな感じだったのに、直線ではそんなに離されず、1秒も負けなかった。敗因は何でしょうね。良血の高馬だからそう思ってしまうのかもしれないけど、皐月賞の時点ではまだお坊ちゃまで、根性が足りなかったのかもしれません。2カ月以上間隔が空いて、まだキャリアが4戦目だったこともあったのかな」

 もちろん、敗戦から得られたものもあった。

「あのレースで、また新たに感じるところもありました。今度は、初めての左回りになるけど、そういうのは心配ない。関東への輸送も2度目になるし、雨に降られても、あそこまで馬場が悪くなることはないでしょう。でも、一気に人気が落ちるでしょうね」

 その口調にも表情にも暗さはない。

「それはもちろん、無敗で皐月賞もダービーも勝ちたいと思っていたから、残念な気持ちはあります。ただ、皐月賞もトライアルも終わった今、望みを持ってダービーに出られそうだな、という感触はあります。混戦と言うと皐月賞を勝った馬に失礼かもしれないけど、逆転は不可能ではないと思っています

 スターダムはこんなものではない、と相棒の底力を信じている。

「もっと走りそうな感じがずっとしているんです。皐月賞で全力を出し切って4着や5着で、そこからダービーに向かうことになっていたら嫌だったかもしれないけど、全然走っていなかった。だから、皐月賞が終わっても失望することはなかったですね」

◆聞き手・島田明宏(作家)

◆アサヒ芸能5/27発売(6/5号)より

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
2
新2軍球団「オイシックス新潟」でくすぶる元広島・薮田和樹と元阪神・高山俊の「1軍復帰ロード」
3
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
4
【ドラマ「Believe」】受刑者キムタク「スタイリッシュでカッコいい&丸刈りナシ」押し売りだらけの超ウンザリ感
5
上毛電鉄「800形」新型車両が全線営業開始!「700型」とは違う「ガッカリ&歓喜」ポイントがあった