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テリー伊藤対談「北沢豪」(1)W杯予選突破の可能性は?

20140626h

●ゲスト:北澤 豪(きたざわ・つよし) 1968年生まれ。東京都出身。サッカー元日本代表。修徳高校卒業後、本田技研工業入社、得点王、代表選出を経て、91年に読売クラブ(後のヴェルディ川崎、現東京ヴェルディ)へ移籍。三浦知良、ラモス瑠偉らとともにJリーグの一時代を築き、93、94年とチーム連続優勝に導いた。日本代表としても59試合に出場。02年の現役引退後は、解説者として活躍し、財団法人日本サッカー協会特任理事なども務め、サッカーを通じた国際的な貢献活動を行っている。

 出場32カ国、サッカー世界王者の称号をかけて戦われるFIFA・ワールドカップが開幕。ザッケロー二監督の采配による23名の日本人選手たちの動向と今大会の戦況分析を、日本プロサッカーの黎明期から第一線で活躍してきた北澤豪氏に、天才テリーがじっくりと聞いた!

テリー 4年に1度のお祭り、W杯ブラジル大会の真っ最中ですね。日本は、コートジボワール、ギリシャ、コロンビアと一緒のCグループですが、この組み合わせというのはどうなんでしょう。

北澤 ハッキリ言って、どこが勝ってもおかしくないようなグループにいます。

テリー Cグループでは、どこがいちばん強いんですか。

北澤 FIFAランキング関係なしに、僕の分析から言うと、やはりコロンビアが一番ですよね。ホセ・ペケルマンも世界トップの監督ですし、メンバーは若いですが、欧州リーグで活躍している選手が増えてきて、日本と状況がよく似ているんです。

テリー 技術的にも日本よりうまいんですか。

北澤 そこはやはり南米のチームなので、うまいです。でも体の強さでいったら、コートジボワール、ギリシャ、コロンビア、日本ですね。チーム力ということで考えたら、日本、ギリシャ、コロンビア、コートジボワールの順。

テリー そういう各国のサッカーの特長が、どう試合に出るかですね。コートジボワール戦を終えて、20日(日本時間/以下同)のギリシャとの戦い、そして25日のコロンビアとの戦いを控えています。2試合目の対ギリシャ戦は、どういうふうに戦っていけばいいですか。

北澤 ギリシャは点を取るチームというよりは、守りが強いチームです。ギリシャの1戦目は、対コロンビアです。もしもこの1試合目でギリシャが負けてしまえば、当然2試合目の対日本戦では、勝つためにギリシャの一番の得意技である守りを固めてくる。そうすると、日本が攻める隙が実は生まれてくる。しかし先制点を相手に取られると、非常にまずいです。

テリー 最後まで守られちゃうもんね。

北澤 それとギリシャの強い部分は、精神面です。彼らは日本人のメンタリティと似ていて「粘り強さ」がある。「最後までやりきる」とか「ライン際まで頑張る」という精神力を持っているので、そういった選手たちの気持ちの強さと対峙するのは、大変だと思いますよ。

テリー 守りの強いギリシャに勝つには、日本の選手は誰が頑張ればいいですか。

北澤 得点となると、どうしても前のポジションに期待がいきがちです。しかし山口蛍といった、後ろにいる人間が前にスーッと出てくると、マークされにくいんですよね。

テリー なるほど。

北澤 日本人のサッカーは「俺がここまで見ておくから、ここから先はお前が見てね」というやり取りがスムーズなんです。互いの選手に責任感があって「わかった。俺が見る」というような、人のためにプレーするところが特長としてある。海外のチームって、このへんの受け渡しを実はすごく嫌がるんです。「お前は俺のボールを最後まで見とけよ!」みたいな言い合いを、試合中にしているぐらい。

テリー そうなんだ。

北澤 ただしギリシャも日本を想定してずっと準備をしていて、柿谷のような裏に出ていく選手が強かったのは、あくまでもこれまでのギリシャの話。柿谷はスペースがないと活躍できないので、他の選手が活躍する可能性はありますね。

テリー そうすると?

北澤 大迫になりますね。

テリー 大久保じゃないんだ。

北澤 うーん、柿谷よりは大久保のほうが可能性がありますけどね。

テリー じゃあ大迫、大久保、柿谷の順で。内田ではないと。

北澤 今回の内田は、2月にケガをした約4カ月間の空白は、埋めきれていないように思います。

テリー 右太腿の肉離れですね。

北澤 内田はフィールドのちょっとした3メートルをさぼってしまう。W杯なんて数センチでやられる世界ですから。そこを3メートルもさぼったら、間違いなくやられますよね。W杯前のコスタリカとザンビアとの国際親善試合での失点も、やはり内田のポジションミスが効いてしまっています。

テリー 厳しいねえー。

北澤 ゴール前の動き、メートルなのか、センチなのか、ミリなのか。それで決まってしまうんですよ。

◆アサヒ芸能6/17発売(6/26号)より

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