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記事全文を読む→小池百合子も苦言を呈した「文化庁の京都移転」は国民に向けた「単なるポーズ」
文化庁は東京一極集中の是正や文化芸術振興などの目的で東京から京都に移転した。国の省庁が地方に移転するのは初めてとなる。これについて東京都の小池百合子知事は3月31日の定例会見で、次のように苦言を呈している。
「かねてより政府機関の地方移転ということは話が進んできたが、結局、文化庁だけが移転という結果となっている。ただ(東京から京都に)移動しただけ。あまり効果が望めないのでは」
3月27日には新庁舎で銘板の除幕式が行われ、都倉俊一長官ら約70人が業務を開始。引っ越し作業は大型連休中に本格化し、5月15日の移転完了時には、全体の7割にあたる約390人体制となる。
京都移転は第2次安倍政権が「地方創生」の一環で2016年に決定したもので、9つの課のうち文化財の保護などを担当する5課が京都に移り、東京に多くの関係団体がある著作権課など4課は移らない。
中央省庁の地方移転は安倍内閣が看板政策に掲げる地方創生の中核と位置づけられ、2015年に各都道府県から誘致提案を受け付けた。地方移住や民間企業の地方移転を促す上で、政府が範を示すのが狙いだった。
だが、徳島県が誘致しようとした消費者庁の移転は見送られ、代わりに常設の調査研究拠点が設置された。結局、移転が実現したのは文化庁のみで、それも9課のうちの5課にとどまった。内閣の試みは官僚の抵抗を突破できず、絵に描いた餅に終わっている。
徳島県が誘致した消費者庁の他に地方から誘致提案があったのは、京都府の文化庁、和歌山県の総務省統計局、大阪府の中小企業庁、大阪府と長野県の特許庁、三重県の気象庁、北海道と兵庫県の観光庁だった。有識者会議で審議の結果、消費者庁と文化庁、総務省統計局の移転が議論の対象になったが、結果は文化庁の一部の京都市移転だけである。
自民党政権は過去にも、政府機関の地方移転を模索したことがある。竹下内閣時代の1980年代、政府機関の地方移転を実施し、約70機関が東京を離れた。しかし官僚の抵抗を抑えきれず、神奈川県や埼玉県など首都圏内への移転が大半を占め、首都圏を離れたのはわずかに3機関にとどまっている。
「これは地方創生として官庁の分散、東京一極集中是正のために文化庁が京都市に移ったというだけの、ポーズでしかありません。結果的には官僚たちの反対によって、他の省庁は移転することはなかったのです。文化庁移転は、ちゃんとやったという、国民に対するガス抜きです。東京は便利だし、子供の教育機関が充実しているから、官僚もその家族も東京に留まることを望むのでしょう」(文化庁担当記者)
関連する省庁が東京にあるから離れることはできないと、移転できない理由がさんざん取り沙汰されてきた。この言い訳があるうちは、抜本的な移転は不可能だということになる。
となると、首都を移転するしか「東京一極集中」の解決を望むことはできないだろう。過去に何度か国会でも論じられた遷都であるが、不況下の日本にそんな余裕はないかもしれない。
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