政治

この期に及んで冬季五輪開催を目論む札幌市の「国際的愚かさ」

 2030年の冬季五輪・パラリンピック招致を巡る問題で、4月15日に秋元克広市長は記者団に対し「30年開催についてIOC(国際オリンピック委員会)からの話はない」と言及。開催年を34年に変更することについては「結論を持って進めているワケではない」とした。市長は3選を果たしたばかりであるが、札幌での開催反対の声が強いことについては「認識しています」と答えた。スポーツ紙デスクが首をひねる。

「なぜ札幌が30年の五輪開催に固執するのか、理解できません。東京五輪は多くの逮捕者を出した『汚れた五輪』として、世界中に恥を晒しました。日本人も五輪にはマイナスイメージを持ってしまった。東京五輪組織委員会の理事が首謀したにもかかわらず、橋本聖子会長は何の釈明もせず、知らんぷり。JOC(日本オリンピック委員会)からも正式な釈明はありません。これほど責任感のない国の組織が、またしても五輪を開催しようというのは、絶対にありえないことでしょう」

 ロシアとウクライナの戦争も、五輪開催に向けて大きなマイナス要因となっている。欧州での開催は戦争の行方が予想もつかないため、手を挙げる都市がないのが実情であり、IOCはそれを隠して、立候補都市が7カ国以上あると言う。見栄を張っているだけだという見方も少なくないが、長年、国際大会を取材するスポーツジャーナリストは、

「IOCは、東京五輪の汚点が世界中に広がることを恐れています。五輪は当初の予算よりも遥かに莫大なお金がかかること、招致に向けての裏工作にIOC委員が関わっていたことなどから、IOC離れがスポンサー企業に波及するかもしれない。五輪不要論も出ています。それらを払拭するためには、五輪を予定通り開催していかなければいけない、という使命を打ち出しています。札幌がそんな魂胆にやすやすと乗ろうとしているのは、国際的に見て愚かだとしか言いようがない。このままでは五輪は無理だと、IOCに突き付けるべきなんです」

 建前として、五輪は各都市が開催することになっているが、そこには国の承認が必要であり、予算は国が担保することになっている。

 であれば札幌開催について、国政選挙の際に国民に是非を問うてもいいのではないか、という声が出るのも納得なのである。

カテゴリー: 政治   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身