【ミス東洋英和、日テレ女子アナ内定取り消しで提訴】
日本テレビの女子アナ採用に内定していたミス東洋英和の笹崎里菜さんが「銀座のクラブでホステスのアルバイト」をしていたことを理由に内定を取り消され、同局を提訴している。この問題をスクープした週刊現代は日テレ人事局と笹崎さんの往復書簡を公表。その中で、日テレは「清廉性を求められるアナウンサーに相応しくない」と内定取り消しの理由を記していた。
今回、「ホステスの何が悪い?」とか「過去のことじゃないか」と、彼女を擁護する論調もあった。
どうして、私に意見を求めないかね。だって、アナウンサー歴は48年、銀座に通うこと50年ですよ。2つの業界に精通した私に話を聞かないでどうするという話だよ(笑)。
昔から「職業に貴賎なし」と言うけれど、今回の話題を労働や雇用契約の問題と捉えたニュースを見ました? 残念ながら、どこか「ホステスが女子アナになるなんて‥‥」という世間の好奇の視線を逆説的に代弁しているような内容ばかりだったよね。
仮に、彼女が無事に女子アナになっていたとして、3年ぐらい過ぎた頃にホステス時代の写真が出てきたらどうする? 間違いなくアサ芸は飛びつくネタなわけでしょう。将来、局にデメリットを与える可能性があったという意味では、日テレの判断は間違ってなかったと私は思う。
だからといって、私がホステスを賎しい職業と見ているわけじゃないよ! プロのホステスというのは、そう簡単になれるものじゃないからね。会話を弾ませるためには、新聞やテレビを見て話題豊富でいなきゃならないし、昔ならダンスや音楽の素養さえ求められた。大変な努力のうえに成り立っている接客業の頂点なわけですよ。
その点、つくづく残念なのが、彼女が「アルバイト」だったってことだよ。理由はわからないけど、そんなものはホステスじゃない。だいたい、プロじゃないホステスってのは、口が軽くていけないよ。「みのもんたが、女の子のスカートの中に指を突っ込んだ」とか週刊誌に告げ口したうえに、「その指のニオイまで嗅いでいたのよ」なんて平気でウソをつく。だから、プロのいる店にしか‥‥。私の話はどうでもいいか(笑)。
私が何を言いたいのかといえば、日テレや世間だけじゃなくて、彼女自身もどこかでホステスという職業を見下していたんじゃないかということ。こういう形で銀座のホステスが話題になると、つい私は腹立たしい気分になっちゃう。
ただ、彼女はどうするんだろう? 裁判に勝って入社したとしても、いざ番組で使う側はちょっと及び腰になるよね。私が日テレの担当者なら、裁判を起こされる前に入社させていたけどね。だって、これだけの話題振りまいて、使わない手はないよ! この行動力は買えるだけに、惜しいよなあ‥‥。
◆プロフィール みのもんた 1979年に文化放送を退社後、フリーアナとなる。以後、数々の番組で司会、キャスターを務める。1週間で最も生番組に出演する司会者のギネス記録保持者でもある。